(前編)【脂質異常症】を放置してはいけない~健康診断の結果を再度チェック~

脂質異常症をご存じでしょうか。前は『高脂血症』と言われていたもので、血管にコレステロールや中性脂肪が溜まり、血液をドロドロにして、悪化すると動脈硬化や心筋梗塞などの引き金になること、さらにこのまま進めば糖尿病にも心筋梗塞にも様々な病気になる可能性が高くなります。メタボリックドミノをご存じでしょうか。生活習慣病が出発点でこれが進むと肥満→脂質異常症→糖尿病→心疾患・脳血管障害→脳卒中・心不全などドミノが倒れるように次々と病気が発症していくようになります。いきなり糖尿病を発症させるわけではなく、長い年月をかけて様々な食習慣、ストレスなどの複合的な積み重ねにより生活習慣病から始まり、徐々に病気の芽が育つのです。病気を発症させないためには最上流である生活習慣病を改善することが大前提となります。

■脂質異常症とは

これらのどれかいずれか1つでも当てはまる場合は脂質異常症となります。ただやみくもにコレステロールを下げれば良いわけではありません。
LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれていましたが、肝臓から全身へ細胞膜や胆汁酸、男性・女性ホルモンやビタミンDの原料になるコレステロールを運びます。HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれていましたが、余ったコレステロールを回収して肝臓に戻します。LDLコレステロールは過剰にならない方が良いですし、HDLコレステロールが下がり過ぎると回収する能力が下がるので下げ過ぎてはいけません。コレステロールは生命の維持に必要なものです。

そして現在指標となっているのがLDLコレステロールとHDLコレステロール値の比率(LH比)が用いられています。
ぜひ健康診断結果を見てこのLH比を算出してみてください。LH比は健康診断の結果で特に記載はありません。症状がないから、肥満じゃないからと思わず、まずは自分の現状を知ることがファーストステップです。あなたのLH比はいくつになりましたか。

(後編)脂質異常症を解消するための食習慣につづく