食事が原因の病気【食原病】の考え方

予防医学は食事が原因の病気【食原病(しょくげんびょう)】という基本的な考え方を持っています。

現代の医学は、病気になってから薬物療法や手術などで治療していく対処療法が主流ですが、人生100年時代と言われ始めてから予防医学が少しずつ行われ始めています。
予防医学は病気の原因を食事から取り除くことによって、病気の治療や予防する【機能性栄養学】も含まれています。その始まりはアメリカのクリントン氏が大統領に就任した際、心臓に問題を持っていたクリントン前大統領が心臓病などで倒れないための食事法を主治医が行ったとされています。

日本での栄養学というと栄養管理士の方が炭水化物何g、たんぱく質何g、脂質何gとカロリー計算していることがメインですが、その考え方では予想できない、対応できないことが現代社会で多々起こっているのです。

テニス界の絶対王者のノバク・ジョコビッチ選手は、グルテンフリーダイエット(「ダイエット」は痩せることではなく食事法のこと)を実践したことで、試合中に倒れこんだりすることなく、むしろ試合中の集中力は高まり、精神面にも好影響があり、コンディションは格段に上がり、グランドスラム制覇を達成している。ジョコビッチ選手はパスタ屋の家で育ち、子供のころから小麦粉製品を食べていたため、グルテンに対する抗体があったと考えられます。

グルテンとはムギ(小麦、大麦、ライ麦)などに含まれるたんぱく質の一種です。グルテンは腸管でアレルギーを起こし、腸管壁を壊し、毒性物質が血液にのって全身に行き渡るため、脳にダメージを与えることがわかっています。

またビタミンに関しても、これまでの栄養学ではビタミンA、B、Cなどの欠乏症にならないための摂取を指標としていましたが、機能性栄養学ではビタミンは栄養素を超えた働きを持ち、特にビタミンDの血中濃度は大事な指標となっています。

なぜならビタミンDは紫外線を皮膚が浴びることによって体の中で合成され、血中濃度が高ければ高いほどがん、結核、認知症、心臓病などの病気の発症率を下げます。しかし、日本人は紫外線をあまり浴びないことから血中濃度は低いとアルツハイマー病専門の医師は言います。そしてこの10年で乳幼児のくる病が急増している傾向が続いています。くる病とは乳幼児が充分な日光に当たらず、体内でビタミンDが欠乏し、脚の骨がO脚になり骨が柔らかくなるため、歩行が難しくなる難病に指定されています。最近、ベビーカーや抱っこ紐をUVカバーで完全に日光を遮られている赤ちゃんを多く見かけます。地球温暖化で紫外線は以前より強くなってはいますが、成長や生命の営みに必要な日光は浴びなければなりません。赤ちゃんも大人も過剰な日焼け対策は様々な病気の原因になるということです。

自閉症、アルツハイマー病、若年層の乳がん、2型糖尿病、肥満、認知症がこの30年で急増していて、20世紀後半に発達した加工技術や化学物質の大量使用、糖質を精製してきたことが原因となっています。病気が見つかってから治療するのではなく、21世紀は病気を予防することが主流になると思います。保険会社でも脳卒中などの重大疾病の予防サービスを組み込んだ保険商品を取り扱い始めたことは大きな変化だと感じます。このコロナウィルスによって健康について考える人も食習慣を見直した人も多くいると思います。自分の体は自分でしか変えられません。最新の情報を得て自分ができることを見つけ、体の変化を感じ、病気にならないよう自分をアップデートしていくことが必要です。