生活リズムを整える

コロナウィルスの影響でリモートワークが継続している方も少なくないと思います。生活のリズムはいかがですか。仕事も際限なくできる環境で夜遅くまで仕事して起きるのはお昼近く…という生活になっていませんか?

人間は1日周期でリズムを刻む体内時計が備わっています。体内時計の働きで夜になると自然に眠りに導かれます。その体内時計は朝、光を浴びることで毎朝リセットされます。朝、光を浴びてから14~16時間後に脳から覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りに誘導するメラトニンという睡眠ホルモンが脳から分泌されます。メラトニンは眠りを誘うほかに、抗酸化作用により細胞の新陳代謝を促したり、体の疲れを取るために病気の予防や老化防止など様々に効果があると言われています。この睡眠時の細胞の新陳代謝がとても重要で、オートファジーが活性化されます。オートファジーとは自食作用で、古くなったり壊れた細胞を自らの一部を分解、浄化することで、いわば細胞のお掃除時間です。これらは主にたんぱく質で日々の生命活動の中で、たんぱく質の分解・生成が行われています。このたんぱく質の分解は【質の良い睡眠時】に活性化します。

より効果的なオートファジーのためのポイント
・食事の間を12~16時間空ける
睡眠時のオートファジーを働かせるために夕食は7時~8時に、翌朝の朝食は9時~10時に取ることが理想ですが、ご自身の生活リズムに合わせて、お食事の時間を取ってください。その間は甘い飲み物や食べ物はとらないことです。特に精製された砂糖は吸収しやすいので、空腹時に摂ると血糖値が急激に上がってしまいます。我慢できない空腹のときは、クルミ・アーモンドなどのナッツ類やヨーグルトを少し口にします。

・寝る2~3時間前までに夕食をすます
眠る直前に食事をすると消化に時間やエネルギーを使い、身体の負担が増えます。また消化しきれなかった物が体内に残り、腐敗・酸化などの原因になり、体調不良が起こりやすくなります。

・朝日を浴びる
先に書いたとおり朝日を浴びることで体内時計はリセットされ、睡眠に入るカウントダウンを始めます。夜に強い光を浴びると自律神経が優位になり、自律神経の乱れの原因になります。また朝の太陽を浴びるとセロトニンが作られます。セロトニンは、精神の安定や平常心など精神安定剤のような働きを持っています。朝に大量のセロトニンを作るために朝日を浴びましょう。

・良質なたんぱく質を毎食摂る
たんぱく質はホルモンやヘモグロビン、酵素などの機能たんぱく質と骨や皮膚を作るコラーゲンや筋肉や髪の毛や皮膚を作る構造たんぱく質の働きがあります。これらは生命活動に欠かせないものです。食事で摂ったたんぱく質は体内で分解し、利用可能なたんぱく質に合成されます。睡眠時に体内で使われたたんぱく質を分解し、不要になった物は排泄、再利用できるものは再生するこのたんぱく質代謝がきちんと行われないと様々な不調が現れてきます。オートファジーが活性化され、質の良い睡眠をとり、たんぱく質代謝が良くなると体や心の不調が解消されます。

以下のような症状がみられる方は上記のポイントを心掛けていただければと思います。
・朝起きた時から身体が重い
・いつも疲れている
・やる気が出ない
・イライラしやすい
・集中力が長続きしない

またアルツハイマー病やパーキンソン病などに共通する特徴のひとつが細胞内の異常タンパク質の蓄積であり、オートファジーは細胞内の大規模なタンパク質分解機構であることから、オートファジーを機能させることでパーキンソン病やアルツハイマー病を予防するという研究結果も出ています。自然の摂理に沿って日の出ている時間は活動的に動き、暗い時間は静かに過ごし、ゆっくり眠ることが病気を予防することに繋がります。

 


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