【セミナーレポート】「分散時代に必要な人材マネジメントの新たなる潮流」

DXやコロナ禍に象徴される大きな時代のうねりが、人事にも訪れています。ローカル化、リモートワーク、ダイバーシティ、個別人事管理……。現代の変化を象徴するこれらの動きを統括するキーワード、それは──「分散」

2022年7月28日(木)、タレンタ株式会社は『分散時代に必要な人材マネジメントの新たなる潮流』と題し、「人材獲得」「人材開発」「働き方改革」の3分野にまつわるセミナーを10:00~17:00にわたって開催いたしました。

「人材獲得」ではアドビ株式会社 人事部 シニアマネージャー 杉本 隆一郎 氏、「人材開発」では株式会社サイバーエージェント 常務執行役員CHO 曽山 哲人 氏、ヒューマン・ラポール研究所 代表 奥田 英二 氏、学習院大学 経営学部経済学部教授 / 一橋大学名誉教授 守島 基博 氏、「働き方改革」では株式会社ドリコム 執行役員 佐藤 正明 氏と、各分野の実践・研究にまつわるトップ人材によるスペシャルセミナーを開講。各セッションの最後にはタレンタ社員による関連ツール・活用事例を紹介しております。

さらに、オープニング・エンディングにはHRエグゼクティブコンソーシアム 代表 楠田 祐 氏とタレンタ株式会社 代表取締役社長兼COO 田中 義紀によるセッションも行われました。

合計6時間、10名のスピーカーによる、白熱のセッションのハイライトを、本記事でまとめてお届けします。

<1.オープニングセッション>分散時代、人事に求められるものとHRテックの現在地(10:00-10:55)

HRエグゼクティブコンソーシアム 代表 楠田 祐 氏によるオープニング・セッションのタイトルは 『分散時代に適応する能力とは 〜ハビトゥスとセンスメイキングが人材マネジメントを進化させる〜』です。

「今日のセミナーは最初から最後までつながっている」「最後まで聞くことで自身と会社を成長させるヒントが得られる」(楠田氏)。「人的資本経営時代に期待される人事」と題し、そもそも人的資源とは何だったのか、人事に求められる「学ぶカルチャーづくり」や「対話によるフィードバック」について熱弁が振るわれました。
数学、物理、科学、ビッグデータなど昨今理系的知見に注目が集まる風潮が高まる中、楠田氏は人事に求められる知見に「ハビトゥス」「センスメイキング」を掲げます。例えば、戦時、大海を渡るにあたって、自分がいる場所を知るためにあなたは何を用いるでしょうか? 楠田氏の答えは、「GPS」ではありません。敵に現在地を知られないためには古来より続く人類の知恵──「北極星」が役に立つのです。

とはいえ、テクノロジーの活用は否定されるべきものではなく、1980年代からインターネットを活用してきたと同氏は話します。セッション後半では「人材マネジメントとテクノロジーは結局舶来品がグローバルスタンダードになる」5つの理由が語られ、日本の人事が人事先進国に追いつき追い越すための知見として、一気通貫したテーマを持つ本日のセミナーをすべて受けることの意義が説かれました。

「分散・個別化」の時代のHRテクノロジー×サイエンス ~タレンタが目指すもの~

2人目のスピーカーは、タレンタ株式会社 代表取締役社長兼COO 田中 義紀。『Work Happy! な世の中を創る ~個別化の時代に必要なテクノロジー×サイエンス~』というテーマで、セミナー全体の導線を描きます。

まず取り上げられたのは「分散・個別化」という時代背景について。モノ→コト、財務資本→人的資本、集団管理→個別化など、冒頭で触れたように経営環境・人材環境の両面で変化が著しい状況となっています。計算機が登場し、PCが一人一台に与えられ、クラウドでいつでもどこでも働けるように……と進化してきたテクノロジー。2022年現在進むのはAI・アルゴリズムの活用とワークテックの融合です。また、サイエンス(理論)の重要性も高まっています。

そのような状況下で「HRテクノロジーのトレンドにも変容が訪れている」と田中。セレクション、コミットメント、エクセレンスといったHRテクノロジーのトレンドは2015年以降、リテンション、エンゲージメント、エクスぺリエンス、「パーソナライゼーション」へと移りました。海外のトレンドはおおよそ5年遅れで日本にも到来するといわれています。

タレンタでは、2010年に「SilkRoad」、2016年に「HireVue」、2020年に「Fuel50」、2021年に「blue」、2022年に「monday.com」と海外のHRテクノロジーを、日本市場向けに厳選して輸入販売してきました。そして、タレンタは日本経済をリードする多くの企業のご支援に携わっており、それらを日本人の特性に合わせて適切にアジャストすることにも取り組んでいます。

タレンタのパーパスは『「Work Happy!」な世の中を創る』。グローバルの最新テクノロジーとサイエンスを通じて日本のビジネスパーソンの働きがいと生産性を変えることに取り組んでいます。

日本生産性本部の調査によると、2021年の日本の時間当たり労働生産性はOECD加盟国38カ国中23位、主要7カ国中最下位、働きがいスコアは23カ国中最下位と低迷しています。しかし、働くことに幸せを感じる社員が多いほど増収率など成果につながることはデータでも証明されています。

タレンタはこれからもグローバルな最新テクノロジーとサイエンスを通じて『「Work Happy!」な世の中を創る』インフルエンサーとなることを目指し、その理念を自社でも体現してまいります。

文:宮田文机

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