事前にスクラムな考えを採用していれば、何かが起きる前提で42kmを分解し、自分がどれだけ走れるかを把握したうえでアクシデントに対応可能な現実重視の計画を立てられていたと佐藤氏は分析します。このように、不確実性に強いのがスクラムの特徴。だからこそ、企業が競争優位性を保てる期間が短くなり、変化への素早い対応が求められる現代の企業に適しているのです。
スクラムには理論、価値観、役割、イベント、作成物の5要素が存在し、公式のスクラムガイドにて体系化されています。2020年のアップデートでは、世界的にソフトウェア開発以外にも採用される事例が増えたことを受けて非ソフトウェアを意識した更新がなされました。
スクラムの採用により、非ソフトウェア領域ではコミュニケーションコストが下がり、属人性が軽減され、業務の見える化が強制的に進んだと佐藤氏は話します。さらに、チームとして通常の限界を超えたパフォーマンスを発揮できる「グループフロー」に至ることができるという効能もあるとのこと。
「チームで想像を超える成果を出してみたい方は挑戦してほしいと思います」と語る佐藤氏は、会社全体のアジリティを高めるという展望を語り、セッションを締めくくりました。