Work Delight Picks vol.7

work Delight Picks

東京でも猛暑日も多く、色々な出来事もありました。日々たくさんの情報に触れますが、意識的な選択がますます重要になっていますね。心身共に無理をせず、自分の心地よい選択をしていきましょう。
来たる7月28日には1dayイベントを開催します。素晴らしいご登壇者様にお集まりいただき、これからの働き方の示唆になること間違いありませんので、是非ご参加下さい!-Work Delight Picks編集室より-

ー目次ーーーーーーーーーーーーーーー
HR最前線
1on1ミーティングをどう捉えているか?(上司編:後編)
Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報
自律神経の乱れ〜その疲れ、脳疲労かも〜
今月のPick Book!

360度の視点で仕事を考える 働き方の哲学(ディスカヴァー・トゥエンティワン)村山昇 (著)
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HR最前線
1on1ミーティングをどう捉えているか?(上司編:後編)

前回に引き続き、上司視点で1on1をどのように捉えているか?についての後編を掲載いたします。

※前編サマリー
・1on1は、事業成果創出の最大化のためにある
・1on1で、事業成果創出最大化の阻害要因を汲み取る
・事業成果創出最大化の阻害要因はメンバー毎に異なる
・阻害要因を汲み取る前に、アイスブレイクをする

阻害要因を汲み取るためにオートクライン効果を活用する
アイスブレイクを通じて具体的行動を傾聴して讃えた後は、「モヤモヤ」を引き出すために質問をストレートに投げ掛けましょう。具体的な聴き方としては、「何かモヤモヤしたことはある?」「何か明確にしたいことはある?」などが挙げられます。
「モヤモヤ」=「その時点でクリアに言語化できていない」ことですので、現在どのような状態なのか、またどのような状態になったら「モヤモヤ」が晴れるのか、考えや気持ちを聴いていきましょう。
自分が発した言葉を自分で聞くことによって、自分が考えや感じていたことに気づくことをオートクライン効果と呼びます。この効果を意識して、傾聴をしていきましょう。

マイルストーンと次へのアクション(3W1H+W)が明確になることで、阻害要因の大部分は解消される
阻害要因の大部分は、マイルストーンと次へのアクションが明確になることで解消されます。
マイルストーンの明確化のポイントは、管理可能な領域と管理不可能な領域を切り分けて、管理可能な領域にフォーカスすることです。また次へのアクションの明確化のポイントは3W1H(When:いつ?、What:何を?、Who: 誰に/誰と?、How: どのように?)になります。また稀に、Why: なぜそれをするのか?が「モヤモヤ」の原因となることもあります。
これらをメンバーと上司の共同作業で明確化していきましょう。できるだけメンバー自身で、マイルストーンのイメージと3W1Hの一部でも言語化してもらうのは大事ですが、それ以降は、上司による提案や助言や話し合いを通じて明確化していきましょう

1on1で改善フィードバックをしたい場合はフィードフォワードを心掛ける
メンバーに改善してもらいたいことがある際により重要なのが、未来志向の視点です。未来志向を端的に表現するのが、具体的な次へのアクション案を提案し、話し合い、合意することです。この一連のプロセスをフィードフォワードと呼びます。
つまり具体的な次へのアクション案を整理・提案できないうちは、メンバーに新たなモヤモヤを増やす可能性があるため、改善フィードバックをするのは先送りにした方が良いかもしれません。

1on1は上司からメンバーへの伝達の場としても使える
リモートワークの進展が進んだことによるメンバー間の情報格差を是正するのにも1on1は有効で、最後の数分は情報伝達に使ってしまうのもありだと考えます。
伝達事項も全員の前で伝える場合と1on1で伝える場合とで伝わり方が異なりますし、メンバー個々の状況に併せてニュアンスを調整したり理解度を確認できるメリットがあります。

最後に: 1on1は人的資本経営の体現そのものである
最後に1on1と人的資本経営との関係について考えてみます。人的資本経営については、マクロな視点では「人的情報の開示」がホットな話題となっていますが、ミクロ視点では1on1を通じて「上司であるあなたの時間(資源)をメンバー(人的資本)に投資する」という見方ができるかと思います。
株式投資を例にすると、結果的にうまくいくこともあればうまくいかないこともありますが中長期的に投資をすることが結果的にリターンが多く得られると言われています。
上司の皆様において、短期の成果創出と中長期の成果の両立は永遠の課題ではありますが、事業成果創出の最大化という観点で、メンバーの可能性を信じ、1on1を通じた人的資本経営を意識して実践してみてはいかがでしょうか?

Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報
米国の最新ホリスティック栄養学に基づく心と体の健康情報をお伝えします

自律神経の乱れ〜その疲れ、脳疲労かも〜
梅雨が例年より早く明け、6月の終わりから既に夏日を記録した今年の夏。7月には梅雨に逆戻りしたかのような雨の日々が続きましたが、海の日も過ぎ、いよいよ夏本番です。新型コロナウィルスの影響や季節の変わり目もあり、疲れが取れない、体がだるい、気持ちがスッキリしない、頭痛、肩こり、めまいetc体の不調はありませんか。

実はこのなんとなく不調は、「自律神経の乱れ」から来るもの。私たち現代人は情報や仕事、外気の暑さと室内の寒さの寒暖差をはじめ、常に多くのストレスに晒されています。体が疲れを感じるのは、肉体的な疲れではなく、脳がこれ以上自律神経を使うと危険だから休めと、脳の眼窩前頭野(がんかぜんとうや)という部位からシグナルが発信されるといいます。そしてこの「疲れた」信号を無視して、仕事を続けたり、負荷(ストレス)がかかり続けると、最も脆弱な臓器がストレスや疲れに対し、真っ先に反応し、アラートを出します。そしてこのアラートに気づかなかったり、無視し続けると他の臓器にも悪影響を起こし、うつ病や過敏性腸症候群、慢性疲労や糖尿病・癌など様々な病気を引き起こすこともわかり始めています。そして自律神経のトータルパワーは10代をピークに右肩下がりに低下し、40代は10代の約半分になるといいます。自律神経を構成する神経細胞(ニューロン)はストレスや強い紫外線などが発生する活性酸素などの影響で傷つくと二度と再生しないそうです。年齢とともに老化し、生命の営みを恒常的にするために24時間働き続ける自律神経を大事にしていかなければなりません。

自律神経を整えるには、まず体・心の不調にならないように生活リズムや自分なりのストレスとの向き合い方をみつけ、習慣化することです。
共通して有効なのは、以下になります。
・良質な睡眠
・朝起きたら日の光で体内時計をリセット
・デジタル機器から適度に離れる
・多少乱れても気にしない
・自分に合った運動
・消化の良い食事
・腸内環境を整える

ですが、何より自分の体からのアラートをちゃんとキャッチして、セルフケアしていくことです。1つのことに執着せず、~すべき、~してはならぬと決めつけず、ネガティブ感情は早めにリリースし、マインドフルネスを取り入れ自分が心地良いと感じる状態にしていくことです。

現在発売されている以下の雑誌を参考に自律神経の働きや影響するものの確認と食事・運動などを活用した整え方を試してはいかがでしょうか。

プレジデント2022年7/29号 脳疲労ゼロ革命

Tarzan特別編集 決定版 自律神経を整える。

今月のPick Book!
人事・心理学などの書籍・記事から、編集室のお薦めを解説交えてお伝えします。

村山昇 (著)
働き方の哲学
41項より「セレンディピティ」
(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

今回は、「村山昇 360度の視点で仕事を考える 働き方の哲学(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」より、41項より「セレンディピティ」についてご紹介したいと思います。

偶然の幸運をつかまえる力は鍛えられる!
セレンディピティ[英語:serendipity]
=偶然、嬉しいものを見つけ出すこと、幸運に出合うこと。またはその能力。

チャンスは心構えした者の下に微笑む。
(Chance favors the prepared mind.) ールイ・パスツール(細菌学者)

科学の世界での偉大な発明・発見の中には、偶然の出来事がきっかけになるものが少なからずあります。しかし、それは本当に偶然なのでしょうか?「いや違う。そのチャンスは自分が呼び込んだものだのだ!」と主張するのがパスツールです。

感覚を鋭敏にして、そこに専念するという心の準備状態をつくれば、見えなかったものが見えてきます。

例えば、あなたは突然会社から、半年後にフランス支社への駐在を命じられたとします。あなたの中に「フランス生活」という意識のアンテナがつよくたちました、するとどうでしょう、新聞を読んでも、街を歩いていても、「フランス」の情報がみえてきてしょうがありません。それらの情報は以前も同じようにあなたの周りにながれていたはずなのに、です。

世の中には実は幸運やチャンスの素(もと)がたくさん流れています。それはあたかも、目に見えない電波がこの空間に無数飛び交っているように。感度のよいラジオであればいろいろと電波を受信することができます。ところが感度の悪いラジオはなかなか電波を拾いません。

偶然の中から幸運をつかみとる力、すなわち、セレンディピティを高めるためには、意識のアンテナを立て、自分がチャンス感度の鋭いラジオになることです。

<押さえるツボ>
・「待っているだけの偶然」ではなく、「呼び寄せる偶然」というものがある。
・意識のアンテナを立てることでチャンス感度は上がる=セレンディピティを起こす確率が上がる。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。