前回に引き続き、上司視点で1on1をどのように捉えているか?についての後編を掲載いたします。
※前編サマリー
・1on1は、事業成果創出の最大化のためにある
・1on1で、事業成果創出最大化の阻害要因を汲み取る
・事業成果創出最大化の阻害要因はメンバー毎に異なる
・阻害要因を汲み取る前に、アイスブレイクをする
阻害要因を汲み取るためにオートクライン効果を活用する
アイスブレイクを通じて具体的行動を傾聴して讃えた後は、「モヤモヤ」を引き出すために質問をストレートに投げ掛けましょう。具体的な聴き方としては、「何かモヤモヤしたことはある?」「何か明確にしたいことはある?」などが挙げられます。
「モヤモヤ」=「その時点でクリアに言語化できていない」ことですので、現在どのような状態なのか、またどのような状態になったら「モヤモヤ」が晴れるのか、考えや気持ちを聴いていきましょう。
自分が発した言葉を自分で聞くことによって、自分が考えや感じていたことに気づくことをオートクライン効果と呼びます。この効果を意識して、傾聴をしていきましょう。
マイルストーンと次へのアクション(3W1H+W)が明確になることで、阻害要因の大部分は解消される
阻害要因の大部分は、マイルストーンと次へのアクションが明確になることで解消されます。
マイルストーンの明確化のポイントは、管理可能な領域と管理不可能な領域を切り分けて、管理可能な領域にフォーカスすることです。また次へのアクションの明確化のポイントは3W1H(When:いつ?、What:何を?、Who: 誰に/誰と?、How: どのように?)になります。また稀に、Why: なぜそれをするのか?が「モヤモヤ」の原因となることもあります。
これらをメンバーと上司の共同作業で明確化していきましょう。できるだけメンバー自身で、マイルストーンのイメージと3W1Hの一部でも言語化してもらうのは大事ですが、それ以降は、上司による提案や助言や話し合いを通じて明確化していきましょう。
1on1で改善フィードバックをしたい場合はフィードフォワードを心掛ける
メンバーに改善してもらいたいことがある際により重要なのが、未来志向の視点です。未来志向を端的に表現するのが、具体的な次へのアクション案を提案し、話し合い、合意することです。この一連のプロセスをフィードフォワードと呼びます。
つまり具体的な次へのアクション案を整理・提案できないうちは、メンバーに新たなモヤモヤを増やす可能性があるため、改善フィードバックをするのは先送りにした方が良いかもしれません。
1on1は上司からメンバーへの伝達の場としても使える
リモートワークの進展が進んだことによるメンバー間の情報格差を是正するのにも1on1は有効で、最後の数分は情報伝達に使ってしまうのもありだと考えます。
伝達事項も全員の前で伝える場合と1on1で伝える場合とで伝わり方が異なりますし、メンバー個々の状況に併せてニュアンスを調整したり理解度を確認できるメリットがあります。