前回は弊社におけるメンバー視点での1on1ミーティングの捉え方について掲載いたしましたが、今回は上司視点で1on1をどのように捉えているか?について2回に分けて整理をします。今回は前編です。
1on1は、事業成果創出の最大化のためにある
1on1に限らずですが、組織内で行われるあらゆる活動は、事業成果の創出に結びついている必要があります。中でも1on1は以降に述べるように非常に重要なアクションであると考えます。
1on1で、事業成果創出最大化の阻害要因を汲み取る
特にメンバー1人ひとりが日々マルチタスクを遂行する必要があったり、環境変化への迅速な対応が求められる仕事環境であればあるほど、メンバー自身の中でのスタックや迷いや遠回りが常に生じやすい状況となり、心の中に生じる「モヤモヤ」が、事業スピードを減速させる要因となります。
この「モヤモヤ」をタイムリーに汲み取るには日常業務でのコミュニケーションだけでは不十分で、短時間でも良いので1on1という形で定期的に時間を設けることが必要です。
事業成果創出の最大化を阻害する要因はメンバー毎に異なる
この「モヤモヤ」は、メンバーそれぞれの業務の習熟レベルや自律レベル、またメンバー一人ひとりが持つ価値観などにより大きく異なります。通常の阻害要因は業務遂行上の課題となりますが、メンバーによってはその意味合いや心身のコンディションが阻害要因となることもあります。
特に価値観については、パーパス(仕事の意味)と日常業務との関連性をより重視するメンバー、自身の成長や将来の自身のキャリアと日常業務との関連性をより重視するメンバー、日常業務を通じた他者への貢献や他者からの感謝をより重視するメンバー、「仕事=ライスワーク」と割り切り、自身の現行のスキルや経験を用いた事業貢献の継続を重視するメンバーなど多種多様です。
1on1で阻害要因を汲み取る前に、まずアイスブレイクをする
1on1でメンバーからの本音を引き出しやすくするための鉄板のアイスブレイクがあります。それは、前回1on1から今回1on1までにメンバーが実施した具体的な行動を傾聴して称えることです。
具体的な聴き方としては「今週頑張ったことを教えてください」「誇れることを教えて下さい」などが挙げられます。
アイスブレイクですので、聴き手(上司)との期待値とのズレに焦点を当ててはいけません。また具体的な行動=事業成果創出のための行動であるわけですので、明確な結果が出ていなかったとしても、結果に視点を当てるのではなく行動に視点を当てて、1歩でも2歩でも前進していることを称えましょう。