work Delight Picks

急激な気温の変化と春の嵐に振り回された今年の桜前線。人混みや喧噪は避けたくとも、やっと目にした満開の桜にはなぜか今年も心が躍ります。近所のお宅では藤棚が見頃です。 新年度が始まりもうすぐ1ヵ月。花たちの生命力のように前へ進み美しく咲き誇ることのできる、皆様にとってそのような春でありますように。-Work Delight Picks編集室より-

-目次ーーーーーーーーーーー
HR最前線
内面の見える化は性格特性から内的動機の時代に?
Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報
セルフケアでご機嫌な自分にする
今月のPick Book!
三行で撃つ〈善く、生きる〉ための文章塾 近藤康太郎著(CCCメディアハウス)

HR最前線

内面の見える化は性格特性から内的動機の時代に?

来年は2025年。21世紀の4分の1が終了します。最初の25年はインターネットが爆発的に普及し、ヒト・モノ・情報と簡単につながることができる時代となりましたが、次の25年はAI等を活用した自動化の更なる進展で、より大きな変化が訪れそうです。

経営マネジメントでは、「株主至上主義」から、あらゆる利害関係者(社員や顧客や取引先や地域社会や環境など)の利益に配慮する考え方である「ステークホルダー資本主義」の時代となってきました。

人材マネジメントでは、優秀層をどう見極め配置するか?が主要テーマだった時代から、現行メンバーで全員でどのようにうまく創意工夫を重ねてやっていくか?といった「全員戦力化」の時代となりつつあります。

働く人のマインドは、「苦役や修行の対価として給料や成長機会を得る」場から、「パーパスや社会貢献」を重視し、「他者や社会のために志を持って仕事に臨みたい」といったマインドに変わってきています。

さてヒトの内面を見える化して人材マネジメントに活かす手法については、適性検査やストレングスファインダーなどが使われています。これらで性格・思考・行動特性を見える化することで、採用・配置・人材開発などに幅広く活用されています。

一方ここ最近では、性格・思考・行動特性より更にヒトの奥底に潜んでいる「内的動機」を見える化し、人材マネジメントに活かすアプローチが支持され始めています。

「自分自身はどうしていたいのか?」「どういう状態がワクワクするのか?」といった「内的動機」に基づく行動は、そのまま自律行動に直結するので、日常の仕事や将来の仕事に結びつくと大きな事業成果をもたらします。

適性検査は質問に答えていくことで客観的に判定されるものですが、「内的動機」は判定されるのではなく自分自身で見い出すものであり、これをサポートするHRテクノロジーや対話手法が整備されてきています。

心理学の世界では動機付け理論として20世紀の中頃から研究されていますが、「ステークホルダー資本主義」や「全員戦力化」や「パーパスや社会貢献」の時代となり、「内的動機」が脚光を浴びる外部環境となりました。1人ひとりの「内的動機」の活用が、次の新たな25年の人材マネジメントの主流になるかもしれません

”Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報

米国の最新ホリスティック栄養学に基づく心と体の健康情報をお伝えします。

セルフケアでご機嫌な自分にする

4月から環境が変わった方も多いのではないでしょうか。慣れない環境で心が落ち着かないことも、不安に感じることもあると思いますが、その感情に気がついていますか?なんとなく疲れているな。環境が変わったばっかりだから仕方ないと、無理に気持ちを奮い立たせていませんか。それは瞬発的にはとても有効ですが、慢性的なストレス状態は心・体の不調の原因となります。

■自分の気分を変えるのは自分
イライラなど機嫌が悪くなるのは、自分の思い通りにならないことが原因です。周りの人の言動や行動、ふるまいで気分を害することは、どんな環境でも起こることです。でも、その害された気分を、他人に変えてもらおうと期待していませんか?また、その不機嫌な感情を表情や行動や言動で表すこともあるかと思います。しかし、その時、自分はすっきりしたとしても、その場の空気が悪くなったり、周りの人の気分を悪くしてしまい、不機嫌の連鎖になってしまいます。世の中、自分の思い通りにならないことの方が多いということを意識していると、不機嫌な気持ちも落ち着いていくと思います。

■自分をご機嫌にする習慣
それでも気分が落ちる、イライラする時は、自分でご機嫌な状態になる習慣を知っていると楽しい時間、笑顔になる時間も増え、自然に感情をコントロールできるようになります。
●好きなこと・ワクワクすることリストをたくさん書きだす
 ちょっとしたことから大がかりなものまでリストアップしておくと、気分が落ちた時にすぐ取り入れられる。
●人との距離を適度に保つ
 1人の時間は自分ファーストにする。
●自分を褒める
 今日/今週、自分はよく頑張った!偉い!

まず、好きなショコラティエのチョコレートを食べるようなちょっとしたことから、ハワイの海でサーフィンをするような大きいことまで、好きなこと、気分が上がることをたくさんリストにしてください。考えている時間もワクワクしてきますね。そして、やりたいこと、やってみたかった・行きたかったことを普段の生活や週末、バケーションでご機嫌な自分にしていきましょう。ご機嫌な自分でいることを意識していくと幸せな気持ちが持続します。

今月のPick Book!

編集室のお薦めを解説交えてお伝えします。

三行で撃つ〈善く、生きる〉ための文章塾 
近藤康太郎著
(CCCメディアハウス)

読者のみなさまは文章を書く機会が多いと思います。報告書、稟議書、採用ホームページ、人的資産開示、あるいはコンペの案内文など様々な「書く仕事」があります。文章に対する苦手意識をなくしたい、デキる人と思われる文章を書きたい・・・。目的はさまざまですが、多くの人が「よい文章」を書きたいと思っているはずです。

本書の著者は朝日新聞編集委員で、現在は大分で猟師をしながら文章塾を主催しています。よい文章を書くための3つの原則は、(1)文章を短くすること、(2)形容詞と被修飾語を近づけること、(3)1つの文章に主語+述語は1組にすることです。2番目は、「緊張感漂う新製品の発表会」よりも「新製品の緊張感漂う発表会」の方が望ましいという意味です。

本書の題名は「最初の3行で読者のハートが撃てないと最後まで読んでもらえない」という著者の体験に由来します。実際に3行で読者のハートを掴むのはかなり難しそうなので、わたしは本書の指摘を活かして、読みやすく誤解されにくい文章を書くことを目標にしたいと思います。なお続編の「百冊で耕す」(自由になるための読書術)もお薦めです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

vol.28 2024/04/24発行

【発行元】タレンタ株式会社  Work Delight Picks編集室