work Delight Picks

5月は中心の太陽に向かって一番生命力が強い季節ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。5という数字は、中心の陽を表す数霊になります。1年の折り返し地点になりますが、今年の抱負は着々と実現されておりますでしょうか。強く思うことは必ず時間差で実現しますので、自分軸で人生を切り開くために、陽のエネルギーの強い5月にぜひ今年後半の理想をイメージしてみましょう!-Work Delight Picks編集室より-

-目次ーーーーーーーーーーー
HR最前線
心理的安全性とは?
Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報
メンタルケアに必要な食習慣とマインド
今月のPick Book!
V字回復の経営〜2年で会社を変えられますか〜(日本経済新聞出版)

HR最前線

心理的安全性とは?
人事領域の仕事に携わったことのある方にとっては、「心理的安全性」はよく聞く言葉かもしれません。心理的安全性は、ハーバード大学で組織行動学を研究するエイミー・エドモンドソン氏が最初に提唱した概念で、「対人関係においてリスクのある行動をとっても、『このチームなら馬鹿にされたり罰せられたりしない』と信じられる状態」を意味します。日本の企業においても、メンバーが自分らしく働き、組織の生産性を上げて成果を出すためにも、職場の心理的安全性が必要だという認識が広がってきています。

誤解されやすい心理的安全性
職場において心理的安全性を確保されるということは、必ずしもお互いに親切に接し、厳しいことを言わず、表面的な笑顔ややさしさで溢れる職場を意味するわけではありません。心理的安全性の本質は、「自分らしく周りの人に接することができる」ことです。例えば、相手の提案に対して、自分は異なる意見を持っている場合、対立を避けるのではなく、「私はそう思わない、もっとこうした方が良いのではないか」と自分の考えを伝えられることです。

対立は悪いか
ここからは少し個人の経験をお話させてください。私は、社会人生活11年間で2つの会社を経験していますが、どちらの職場においても「対立する意見を伝えること」の重要性を感じることがありました。1つ目の職場はメーカーの営業職でした。当時の社長の口癖は「部門間での健全な対立をしろ!」でした。日々、開発部門や工場の生産・製造部門と会話をする中で、各部門の事情があるため、どうしても自部門の事情を考慮した方針決定をしたいという意図が組織では働きます。そんな時に、「それで本当にいいのか!」と声を挙げることは、ある意味その場の空気を壊すことになります。しかしながら、社内の事情で妥協しないことで、お客さんへもより良いものを提供することができ、その結果会社としても成果をあげることができました。2つ目は、現職での経験です。お客さんに提案するにあたって、上司が作った提案に対してどう思う?と意見を求められる場面がありました。「すごくいいと思います。」とただ同意を示した私に比べ、同僚は「正直、私はこの点に同意しません。なぜならxxだからです。」と反対意見を述べました。しかしながら、その同僚の発言を皮切りに、社内で議論が進み、さらに良い提案を会社として作ることができました。

反対意見=相手の否定ではない
相手の意見に対して、反対意見を述べるとき、相手を否定する気がして意見を言いにくいと感じることがあるかもしれません。そんなときには、「相手」と「相手の意見」を分けることを意識するということが一つのポイントです。具体的には「○○さんのご発言ありがとうございます。私は、この点についてはxxだと思いました。」「○○さん、まずここまで提案を作ってありがとうございます。この点について私は正直xxと思うのですがどう思われますか。」など、相手を受け入れた上で、意見を述べるようにすれば、会社としてより良い結果を出すために別の観点からあなたが意見を出してくれているということが、相手にも伝わりやすいのではないでしょうか。

”Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報

メンタルケアに必要な食習慣とマインド
新型コロナウィルスも5類に移行となり、外に出る機会も増え、今年のゴールデンウィークは3年振りに制限のない連休となりました。うつ病や登校拒否になりがちなこの時期、連休明けで身体がだるかったり、本調子でない方もいらっしゃるのではないでしょうか。メンタルの不調は突然起こるものではないとされています。病気もメンタルも自分でケア(予防)する時代です。新しいことを受け入れることもメンタルが健康でなければ、難しい時もあります。自分は無理とかわからないと匙を投げる前に、少しでも日々の生活の中で気づき、実践していけば、その変化はわずかかもしれませんが、確実に変わるはずです。自分を変えられるのは、自分しかいません。

メンタルケアに必要な食習慣
精神的な疾患(うつ病など)は心身の限界を知らせるサインであるため、頭が痛い、肩がこる、眠れないなど身体の様々な症状が出ています。この身体のアンバランスな状態が慢性化して最終的にメンタルに関連した症状が現れるのです。

エネルギー源となる三大栄養素(たんぱく質、炭水化物、脂質)のカロリーを十分に摂取しても、人の身体を動かすエネルギーは作られません。人の生命活動におけるエネルギーとは、細胞内のミトコンドリアで作られる「ATP(アデノシン三リン酸)」です。三大栄養素からATPを作るためにはビタミンB群や鉄、亜鉛、マグネシウムなど様々なビタミンやミネラルが必要になります。

日々のマインドがメンタルを安定させる
メンタル不調に関連するのが自律神経の乱れです。本来、交感神経が優位になるのは、動物が敵と戦ったり逃げたりする命を守る時です。しかし、現代生活においてはこの緊張状態が日常的になっています。交感神経が優位になるのは「~しなければならない」というストレスがかかった際にも生じます。日常生活での朝「起きなくては」から、家事の食事を作らなくては、仕事でも「資料を作らなくては」、夜には「寝なければ」などなど「しなくてはいけない」というマインドに追われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

仕事や勉強、人間関係は辛くて当たり前、楽になろうと思うのは「根性が足りない」「あの人はもっと頑張っている」などと思っていませんか。ストレスの状態が当たり前ではないことを覚えておいてください。自分の目標達成のための仕事や勉強は喜びや達成感、やりがいが伴います。それがいつのまにか「やらなくてはいけないこと」のストレスになっていたら、何かしらが違うことに気づき、それまでのやり方ややっていることに執着せず、別の方法を試したり、ペースを緩める、別のことに目を向けてみることが大切です。

誰かの当たり前は自分とは違う、自分の当たり前は例え家族であろうと他の人とは違うことも心に留め、自分が心地良いと感じる日々を過ごすために、自分に寄り添ってみてください。

今月のPick Book

事業変革を推進するリーダーの仕事を擬似体験できる書籍です。事業と人事の距離が更に近づいている昨今、人事の皆様にも是非読んで頂きたいと思いPickさせて頂きます
本書はボストンコンサルティンググループの日本第一号社員である三枝匡氏による、豊富な事業変革の実体験に基づく、限りなくノンフィクションに近いフィクション(物語)です。随所に登場する事業変革の方法論に加え、机上の理屈だけではない熱意と愚直さで、どのように社員の意識を変え、行動を促し、組織を変えていくのか?といった勘所が余す所なく書かれています。
特に、改革における社員の反応類型(推進者と抵抗者のパターン)と、類型毎のコミュニケーション姿勢については目から鱗です。本書は20年以上前に初版が出ましたが、10年前には「増補改訂版」が、また先月には「決定版」が再出版されており、事業環境の変化こそあれ「人を導く(リードする)」リーダーシップの要諦は不変であることを考えさせられます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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街道をゆく1 湖西のみち(朝日新聞出版)司馬遼太郎著