メールマガジン「Work Delight Picksは3年目を迎えました。引き続き、本年も皆様の仕事(Work)における喜びや楽しみ(Delight)をサポートする最新情報を厳選(Picksして提供してまいります。本年は終戦後79年となりますが、その78年前には大政奉還という出来事がありました。現在も激動の時期にあるようですが、ビジネスパーソンとして私たちができることは、直面しているお客様の期待や社会課題に対して、1つ1つ丁寧に対応し続けていくことかと思います。昨年来、採用部門の皆様に加えて人材開発部門の皆様とお話する機会が増えました。多くの企業様が来年度の人材マネジメント施策の準備の最終段階に入っていますが、企業活動を支える人材マネジメントの進化と共に、日本全体が更に前進しようとしていることを感じます。それでは本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。-タレンタ株式会社-

-目次ーーーーーーーーーーー
HR最前線
人材のポテンシャルを解放する「ヒューマン・ポテンシャル・インテリジェンス」
Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報
サビない体をつくる~活性酸素を作り過ぎず、きちんと排出する~
今月のPick Book!
対立の炎にとどまる~自他のあらゆる側面と向き合い、未来を共に変えるエルダーシップ~
アーノルド・ミンデル著(英治出版)

HR最前線

人材のポテンシャルを解放する「ヒューマン・ポテンシャル・インテリジェンス」

「ヒューマン・ポテンシャル・インテリジェンス(Human Potential Intelligence)」とは
企業が人材の潜在的な能力や可能性に焦点を当て、それらを評価し活用することは、以前より重要な項目として、皆さんそれぞれ認識されていることと思います。競争が激化し変化が激しい時代に突入しているなか、よりその観点は重要になってくるようです。社員一人一人が持つ未開発の能力や才能、可能性に目を向けたアプローチとして、これまでの評価や過去の実績だけではなく、個人の成長、学習などの「可能性」に目を向け、その人の将来のパフォーマンスを予測しようとするものとして、「ヒューマン・ポテンシャル・インテリジェンス」という概念が、いまHireVue社によって提唱し始められています。

ヒューマン・ポテンシャル・インテリジェンスの具体的な中身
ヒューマン・ポテンシャル・インテリジェンスに関する要素や機能は多岐に渡ります。現在、例えば採用プロセスでは、候補者の評価は面接や適性検査などで行われることが一般的で、しかもそれは限られた時間の中で実施しなければなりません。しかし、それだけでは候補者のすべての情報を収集することはなかなか困難でしょう。そこで、テクノロジーの力を活用してより多面的かつ効果的に多くのデータを集め、機械学習を通して過去の実績だけでなく行動データやパーソナリティを分析し、個々の特性や能力を予測することが可能になります。また、リアルタイムのフィードバックや学習プランまでを算出することも可能になり、今までのプロセスでは見出せなかった候補者や社員一人一人のポテンシャルを再発見していきます。加えて、その内容は客観的な指標で透明性や公正性が担保されていることも大事なポイントです。機械学習と専門家の判断も統合していくことも可能になり、個々の能力や特性をより包括的に評価・確認していきます。

なぜいま「ヒューマン・ポテンシャル・インテリジェンス」が重要なのか
グローバルのみならず日本で深刻化している人口減少ですが、人手不足の中、人材の獲得がますます困難になる時代において、企業が良い人材を適切に、効率的に獲得していくためには、これまでの過去の経験を確認するという方法の採用や配置をしていては、競争に勝てなくなりつつあります。働き方や経済環境の変化もあり、人材の可能性・ポテンシャルの発見と最大化は、企業の競争優位性を確立する鍵となります。
 社員側にとってもヒューマン・ポテンシャル・インテリジェンスは重要なコンセプトとなるようです。採用プロセスで色々な検査や面接を通して評価された内容は、貴重な資産として活用できるようになります。ふるいにかけられ採用の合否が決定されてしまって終了、ではなく、そのプロセスで測定された内容や評価を、ヒューマン・ポテンシャル・インテリジェンスによって、入社後今後の将来の自身のキャリアを考える際に役立つ気づきとして活用できるようになります。

ヒューマン・ポテンシャル・インテリジェンス活用のこれから
企業や組織、個人において、ヒューマン・ポテンシャル・インテリジェンスは採用のみならず、人材管理やリーダーシップ開発、労働力計画、チーム構築、個人のキャリア開発、企業文化の構築など、多岐にわたる領域で力を発揮していきそうです。より本質的に個々の潜在能力を評価し、適切な人材を採用し、企業自体の将来の成長に備えた労働力計画を策定することが可能になる将来は、そんなに遠くないようです。

変化するビジネス環境で競争優位性を確立する鍵として、ヒューマン・ポテンシャル・インテリジェンスは非常に重要で不可欠な存在となっていきそうです。

(HireVueの詳しいヒューマン・ポテンシャル・インテリジェンスのガイドはこちらからダウンロードいただけます

”Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報

サビない体をつくる~活性酸素を作り過ぎず、きちんと排出する~

活性酸素とは
活性酸素は、私たちの体内代謝の働きの中で呼吸によって取り込まれた酸素の数%から作られ、細胞伝達物質や体の免疫機能を維持する上で不可欠な働きを担っています。一方で、活性酸素には、強い酸化作用がありますが、私たちの身体には酸化作用から身体を守る抗酸化作用が備わっており、活性酸素によるダメージを修復・抑制が可能です。しかし、外部要因やストレスなどの原因で過剰に産生されたり、うまく排出できないことで、体内に蓄積し、様々な疾患や不調を引き起こすことが分かっています。

過剰な活性酸素による身体への影響
過剰な産生は細胞を傷害し、がん、心血管疾患ならびに生活習慣病など様々な疾患をもたらす要因となります。そのため生体内には、活性酸素の傷害から生体を防御する抗酸化防御機能が備わっています。活性酸素の産生が抗酸化防御機能を上回った状態を酸化ストレスといいます。(引用:厚生労働省 e-ヘルスネット

活性酸素の発生や働きを抑制する生活習慣
現代の生活では、ストレスや睡眠不足、運動不足、栄養不足などの原因で身体に備わっている抗酸化能力を超える活性酸素が産生される状況にありますが、生活習慣で改善できることもあります。

・質の良い睡眠
朝日を浴びることによって体内時計がリセットされ、夜になるとメラトニンが分泌され、眠くなるメカニズムです。メラトニンは抗酸化作用が期待できるホルモンとされています。睡眠時は脳や身体の老廃物を掃除する時間といわれています。

・適度な運動
軽く息が弾む程度のウォーキングなど。

・バランスのとれた食事
ビタミンやミネラル、ポリフェノールなど多様な食材を摂ることで抗酸化作用が働き、活性酸素の働きを抑えたり、老廃物の排出の助けになります。詳しい食物については、Facebook Holistic Lifestyle~健康でHappyな毎日を過ごすために~をご参照ください。

また、最近の研究では水素が体内の活性酸素に効果的な抗酸化物質であることが示唆されています。水素はヒドロキシラジカルの悪玉活性酸素に有効であり、医療機関での利用が進んでいますが、治療法としての確立はまだ進んでいません。治療を検討する際は、内容を理解し、注意深く判断することが必要です

【参考】
【BSテレビ東京】2019年1月24日/日経プラス10 水素吸入医療法で治療法は変わる(YouTube)
※音声が出ますので、閲覧時はご注意ください。

健康に関する情報は常にアップデートされています。昔からの健康法や特定の食事法などにこだわらず、最新の情報を取り入れることで不調が緩和されることもあります。ご自身の身体に合った食事、健康法を柔軟な気持ちで日常に取り入れましょう。

今月のPick Book!

本書は国家間の戦争から、家庭内の不和に至るまで、あらゆる対立を解決するための手法としてプロセスワーク、ワールドワークという心理的なアプローチを紹介するものです。

著者アーノルド・ミンデルについて
プロセスワーク、ワールドワークの創始者である著者はマサチューセッツ工科大学で物理学を学び、チューリッヒ工科大学大学院へ留学した時にユング心理学に出会います。著者の関心は、サイエンスしての物理学と心的世界との関連性を見出すことにありました。ユング心理学、老荘思想、量子力学、コミュニケーション理論、市民社会運動などの知恵をもとに個人と集団の葛藤・対立を扱うプロセスワークを開発し、世界中の社会・政治リーダーやファシリテーターの自己変容を支援しています。

炎の中に座す
日常的な行き違いから国家どうしの争いにいたるまで、さまざまな問題や対立が生じている現代社会において、「対立の炎」を消そうとするのではなく、その「対立の炎」の中にとどまって、気づきを与えることで対立に意味をもたらし、関係性を変容性させ、新しい可能性を共に創発することを目指します。

目の前の問題に向き合うことが、世界への貢献になる
ユングはかつて、心理学協会での会話で「核戦争が起こるかどうか?」と問われた時、「それは私たち一人ひとりが、自信の内面の葛藤にどれだけ耐えられるかにかかっています」と答えたそうです。著者も一人の人が緊張を耐える時、その人は世界の問題に向き合っているのに等しいと同様のことを説いています。
ノウハウだけでなく、「対立に自分はどう向き合うか」という奥深い世界に浸ってみたい方におすすめです。活用の場は、家庭や職場等の日常の中に広がっています。本書を通じて、内面からの変容がリーダーシップの質を向上させ、組織や社会にポジティブな影響をもたらすことを学ぶことができるでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Work Delight Picks vol.24
HR最前線
「HR Tech Conference & Expo 2023」レポート(後編)
Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報 自分を「ご機嫌」な状態にする習慣
今月のPick Book!『民俗学がわかる事典』新谷 尚紀編著(角川ソフィア文庫)

Work Delight Picks vol.23
HR最前線
「HR Tech Conference & Expo 2023」レポート(前編)
Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報 身体の機能は感情に影響される
今月のPick Book! 『ゆるい職場 若者の不安の知られざる理由』古屋星斗著(中公新書ラクレ)

Work Delight Picks vol.22
HR最前線
高校野球を通じて「自律性」を考える
Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報 
新しい栄養学「ホリスティック栄養学」健康レベルを上げる食事術
今月のPick Book!
「他者と働く─「わかりあえなさ」から始める組織論」 宇田川 元一著(NewsPicksパブリッシング)