work Delight Picks

待ち望んだ涼しく心地よい空気。青く澄んだ空に浮かぶ雲。気持ちのよい風を感じながら、美しい季節を過ごすことができる日常に感謝しています。秋の夜空を見上げながら、すべての国の人々や子どもたちが安心して眠りにつくことができるようにと祈らずにはおれません。-Work Delight Picks編集室より-

-目次ーーーーーーーーーーー
HR最前線
高校野球を通じて「自律性」を考える
Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報
ホリスティック栄養学 健康レベルを上げる食事術
今月のPick Book!
「他者と働く─「わかりあえなさ」から始める組織論」 宇田川 元一著(NewsPicksパブリッシング)

HR最前線

高校野球を通じて「自律性」を考える
少し前の話となりますが、2ヶ月前の全国高校野球選手権大会で、「自律性」を全面に出した指導をしていることで知られる慶應義塾高校と仙台育英高校が決勝に進出しました。

仙台育英高校は2年連続の決勝進出でしたが、従来の伝統や形式を重視する風潮の強い高校野球界において「常識を覆す」やり方で結果が定着化してきたことに、大きな時代の潮流を感じます。この両校の共通点の一部を抜粋します。

1.勝利至上主義ではなく「野球を通じて生徒の人間性を高める」ことに注力していること
2.選手にとって自分事となるような、古臭くなく分かりやすい「今年のスローガン」を掲げていること
3.失敗を悪としないこと。「あれをしろ」「これはダメ」ではなく「なぜそうしたのか?」「どうしてそうしたいのか?」を考えさせること
4.両監督ともマイクを向けられると常に「感謝」を口にしていること

1や2は企業で言うところのパーパスやビジョンであり、「自律性」を発揮する上での基盤や拠り所となるものです。また3は「自律性」を促進する行動そのもので、いわゆる経験学習と呼ばれるものです。「自律性」の発揮とは、PDCAサイクルを自力で回すことと同義ですが、Doをした後のCA、つまり自ら気づきを得て、次の行動につなげることを促しています。これは多くの企業で導入されている1on1の導入目的の一つとなるかと思います。
4については推察ですが、監督が1に深くコミットしていることから自然に出てくるものだと思われます。

また以降も推察ですが、失敗を悪としない一方で「あれをしろ」「これはダメ」といった、いわゆる規律やルールは必ず存在するはずです。高校野球ですと「挨拶をしなさい」「道具を大切にしなさい」「失敗してもふて腐れないようにしなさい」「今野球ができていることに感謝をしなさい」などが該当するのではと思います。

企業においても「サーバントリーダーシップ」という言葉が少しずつ浸透しているものと思います。この両校の監督は「統制型リーダー」ではなくまさに「サーバントリーダー」です。この「サーバントリーダー」は「羊飼い型リーダー」とも言われます。つまりメンバーの「自律性」を促進するためには、自律と規律の境目である柵(=NGライン)をどこに設定するのか?というのが非常に重要になりそうです。

「自律性」はそもそも、人間が生まれながらにして持つ基本的欲求の一つと言われています。つまり誰もが「自律性」を発揮したいと心の底では思っている訳ですが、これを引き出すために、高校野球のマネジメントも参考にして、伝統的な日本人の特質や美徳(規律や協調性)を重視しつつも、1人ひとりが「自律性」を発揮し、イキイキと社会貢献していける世の中にしていきたいですね!

”Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報

ホリスティック栄養学 健康レベルを上げる食事術
前回のWork Delight Picksでホリスティック栄養学とは、「細胞の健康レベルを上げる」とお伝えしました。では、健康レベルを上げるには、どうすればよいでしょうか。

食べる物が溢れているこの時代に食べられなくて病気になることはなく、むしろ食べることで病気になると言われています。今までの習慣と同じことをしても健康レベルは上がらないのは理解いただけると思います。

■健康レベルをあげる
健康とは「病気かそうでないか」の区別ではなく、いくつかのレベルがあります。詳細は、タレンタリソースをご参照ください。地域差はありますが、日本の40~50%の方が花粉症であるという調査結果も出ているように、多くの人が病気でなくても何かしらの不定愁訴や不調を抱えています。その現状から少し高いレベルの健康を目指すことです。

■細胞の健康
2023年1月のWork Delight Picksでもお伝えした細胞の働きのベストパフォーマンスが継続することでより健康レベルが上がります。細胞の形を保ち、体全体とのネットワークと連携している細胞膜を正常な状態で維持することが大切になります。

■細胞膜を作る食事術
1)細胞膜は主にリン脂質でできているため、必要な栄養素は脂肪酸です。
・植物由来の脂肪酸<多価不飽和脂肪酸>
 玄米、全粒小麦、大豆
・動物由来の脂肪酸<オメガ3脂肪酸>
 サーモン

最近CMなどで亜麻仁油やえごま油など食べる・飲むオイルが多くなってきました。これらのオイルはオメガ3が含まれおり、オメガ3は体内で生成できないため、食事からとることが細胞膜にとっても良いことです。しかし、これまでオイルを食べる・飲む習慣がなかったのに、毎日亜麻仁油などを飲むようになれば当然脂肪過多になってしまい、コレステロール値が上がる可能性もあります。その他のオイル(揚げ物や加工食品)を控えて、全体の摂取量を減らすことが大切です。

2)細胞膜の防御力と修復力を上げる
細胞は常に酸化物質の攻撃を受けており、それらから守るためには防御成分であるカロチノイドとポリフェノールを常に摂ることです。またダメージを受けた細胞を修復する必須ビタミンやミネラル、然な食物(リアルフード)のあらゆる栄養素を摂ることです。

現代において冷凍食品や加工食品は生活になじみ、便利なものです。ただそれだけでは、ビタミンやミネラルは十分に摂ることができません。ただ、いきなり自然な食べ物のみにしたり、特定の食品だけを摂ることは長続きしませんし、経済的にも生活習慣的にも苦しいものになり、継続できません。今の食生活に少し良い習慣を加える意識していき、自分ができることから始めると良いと思います。

例にラーメンを上げますが、自分がいつもしている行動の1つ・2つ先の行動を続けることで、もし戻ってしまっても、気づいた時点からまた1つ・2つ先の行動を始めれば良いのです。

カップラーメンのみ
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カップラーメンにお惣菜のサラダと一緒に
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インスタントラーメンにする
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インスタントラーメンと一緒に野菜をゆでる
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インスタントラーメンに野菜と卵を加える
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ラーメン屋で野菜多めのメニューにする(ライスはつけない、替え玉しない、スープ飲み切らない)
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ラーメンを食べる頻度を減らす

また、白米からいきなり玄米にしても、白米のような甘みやおいしさなどが得られず続きません。まずは白米7:玄米3から始めて、徐々に玄米の割合を増やしていくのが良いです。自宅で玄米が難しい場合は、外食やお弁当で玄米を選ぶなど、少しでもより良いものを選択していくこと。○○してはならないやこれを必ず食べるなどこだわり過ぎず、色々な物、旬な食べ物を楽しんで食べることが1番です。前の日にジャンクフードを多く食べたなら、次の日は野菜多めに食べるなどして、1日や数日の食事でバランスを取ることが大切です。

食べ物に溢れ便利な世の中になりましたが、それと引き換えにヒトにとって必要な栄養素が失われつつあります。何事もバランスが大切です。今週の食事を思い返し、足りないなと思ったものを少し意識して手に取り、食べ過ぎたなと思ったものは控えてみてください。

今月のPick Book!

“組織の生々しい現実――
ノウハウやスキルで一方的に解決ができない問題、向き合うのが難しい問題をいかに解くか。”

他の部署に協力を求めても協力してくれない・・・。しっかり説明しているのに、なぜか分かってもらえず、反対される・・・。長年解決しようとしているけれども、なかなか根本解決に至らない。そのような問題について、本著は、ハーバード・ケネディ・スクールで「最も影響を受けた授業」に選ばれ続けるロナルド・ハイフェッツの既存の方法で一方的に解決ができない複雑で困難な問題のことを「適応課題」と定義”する、という解説から始まります。そして、その「適応課題」の解決方法は「対話」である、と説明します。

対話というと、現在は1on1をはじめ、耳にする機会も多いと思います。しかし、その対話の本質とはいったい何なのでしょうか。適応課題を解決するには、何が必要なのでしょうか。

長年解決に苦戦している問題は、もしかしたら今まで見えていないものがあるのかもしれません。

最後の章で言及される、これまでの日本人にある私たち働く一人一人は組織を構成する部分であり、中心的な存在ではない”という強力なメタファー。そして、それに対する違和感。実践にフォーカスした本著によって、現代の組織の課題、ひいては本質的なインクルージョンとは何なのか、という部分にまでもヒントを得ることができそうです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Work Delight Picks vol.21
HR最前線
生成AIの時代に人事部はどう対応すべきか?
Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報 新しい栄養学「ホリスティック栄養学」とは
今月のPick Book! 「それでも食べて生きてゆく 東京の台所」 大平 一枝著(毎日新聞ウェブマガジン)

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今月のPick Book! 「思いがけず利他」中島 岳志著(ミシマ社)

Work Delight Picks vol.19
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今月のPick Book!  『脳の大統一理論: 自由エネルギー原理とはなにか』 乾敏郎 著,阪口豊 著(岩波書店)