2003年から「でんきを消して、スローな夜を。」を合言葉に始まった未来の地球を守るムーブメント「キャンドルナイト」ですが、夏至と冬至の日に各地で色々なイベント開催が定着してきました。イベントに参加することはとても意義のあることですが、まずは日々の生活の中で自分ができることから、時折明かりを落とし情報から少し離れて、家族や友人・パートナーとの会話や食事を楽しむスローな夜を過ごしてみてはいかがでしょうか。-Work Delight Picks編集室より-

-目次ーーーーーーーーーーー
・HR最前線
パンデミック後の北米におけるタレントマネジメントの課題を知る
・”Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報
脂質異常症は様々な不調や病の入口
・今月のPick Book!
植物考 藤原辰史著(生きのびるブックス)

HR最前線

パンデミック後の北米におけるタレントマネジメントの課題を知る
5月下旬、弊社で取り扱う「Blue」のベンダーであるExplorance社のCEOおよびメンバーが初来日しました。普段オンラインでどれだけコミュニケーションをしていても、直接顔を合わせて議論し時間を過ごすことは大きな理解と学び、喜びの時間となりました。その中でCEO サマールが語っていた「北米のタレントマネジメントの現状や課題」について、少し共有させていただきたいと思います。

・パンデミックが北米企業のタレントマネジメントに及ぼした影響
パンデミックは、それそのものが何かを変えた、というよりはそれが「触媒」として作用することで、必要な人材開発や成長を加速させる面もありました。しかし同時に、労働力不足の中で企業は採用や人材確保に注力し、結果的に大きなリソースの入れ替えが起こりました。それは既存のリソースを軽視することとなり、従業員が意欲を持って働き結果を出していくためのスキルアップや成長機会を提供することができませんでした。結果的に「The quiet quitting(静かな退職)」という現象が生じたのです。
同様の課題は経営層や管理職にも存在し、リーダーのマネジメント力が低下している中で従業員の意欲と生産性を引き出すことは大変難しい状況となっています。

・北米企業最大の課題とその対応策
目下、北米企業での最大の課題とされているのは、採用でもダイバーシティ&インクルージョンでもなく、ビジネスの効率性です。弱体化した組織や人材力の中で、どのように収益性を高めて利益を上げていくか。経営陣や人事担当者にとっても、この相反する力をポジティブな結果に結び付けていくことは容易ではありません。企業文化を大事にしていたはずのGoogleが、メール1本で大量解雇を行ったことも大きな話題となりました。
そのためにも「従業員の声を聞く」ことがやはりとても重要性です。そしてそれは、その声を直感的に判断するということではなく、データ主導で十分な分析と洞察を行い、組織や人材に関する重要な決定を下していくことが急務となっています。360度サーベイのような手法やテクノロジーの力を使うことで、この課題に対応しようとする流れが起きています。

・北米の課題・日本の課題
翻って、日本の私たちにとってもビジネスにおける課題の本質は同じだと感じないでしょうか。弊社は海外のソリューションを日本にいくつも展開してきましたが、そこでは「日本のXXは特殊だから」と日本のビジネス文化や習慣を説明して理解を求め、それをシステムの機能に反映させることを多く行ってきました。それは、日本の皆様によりよいサービスを提供するためにとても重要です。だが同時に、もう一歩掘り下げていくと、その向こうにある本質的な課題や考え方は必ずしも日本特殊なものではなく、グローバルで同じであるなと感じることも多くあるのです。

「従業員の声を聞く」こと、その意味とそれをどのように行って何を目的とするのか。改めて考えてみませんか。

”Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報

脂質異常症は様々な不調や病の入口
脂質異常症をご存じでしょうか。前は『高脂血症』と言われていたもので、血管にコレステロールや中性脂肪が溜まり、血液をドロドロにして、悪化すると動脈硬化や心筋梗塞などの引き金になること、さらにこのまま進めば糖尿病にも心筋梗塞にも様々な病気になる可能性が高くなります。

生活習慣病が出発点でこれが進むと脂質異常症→糖尿病→心疾患・脳血管障害→脳卒中・心不全などドミノが倒れるように次々と病気が発症していくようになる「メタボリックドミノ」。いきなり糖尿病を発症させるわけではなく、長い年月をかけて様々な食習慣、ストレスなどの複合的な積み重ねにより生活習慣病から始まり、徐々に病気の芽が育つのです。病気を発症させないために、また病気を治すためにも最上流である生活習慣病を改善することが大前提となります。

メタボリックドミノ

■脂質異常症とは

これらのどれかいずれか1つでも当てはまる場合は脂質異常症となります。

LDLコレステロール:肝臓から全身へ細胞膜や胆汁酸、男性・女性ホルモンやビタミンDの原料になるコレステロールを運びます
HDLコレステロール余ったコレステロールを回収して肝臓に戻します。

そして現在指標となっているのがLDLコレステロールとHDLコレステロール値の比率(LH比)が用いられています。

ぜひ健康診断結果を見てこのLH比を算出してみてください。LH比は健康診断の結果で特に記載はありません。症状がないから、肥満じゃないからと思わず、まずは自分の現状を知ることがファーストステップです。あなたのLH比はいくつになりましたか。

今月のPick Book!

植物考
生きのびるブックス
藤原辰史 著

毎年、梅雨になると、筆者の近所の小道には、名も知れぬ草木が繁茂します。対向者が肩を掠めるほどに狭いその小道は、青々と硬い葉を茂らせる灌木が、ブロック塀を乗り越えて歩行者の行く手を遮るようになります。アスファルトの亀裂から吹き出す雑草がサンダルの隙間から皮膚をくすぐり、ときどき厄介なかぶれを引き起こします。

植物たちにされるがままのその道を歩くとき、鬱陶しさを感じつつも、筆者は少しの恐怖さえも感じることがあります。『植物考』(藤原辰氏著)も、そんな植物の持つ「激しさ」や「動き」に注目し、これまで私たちが無反省に抱いてきた植物への「マイルド」で「不動」なイメージを覆します。

著者は、ほんとうの「植物性」についての考察は、人間社会の深い問題を分析し、解決策を探る手掛かりになると言います。

理系と文系の枠を超え、生物学、哲学、歴史学、芸術など多岐にわたる視点から植物について問い直す本書は、自然との新しい関係性を探求し、これから人間社会がどのように成長し、発展すべきかを模索するためのガイドブックとなります。また、私たちが植物との新たな関係を見つけ、その関係性を通じて自分自身を再定義するためのヒントにもなります。

”植物について考えることは、初めて会った人なのに昔から知っている気がすると錯覚する、あの感覚に似ている。”
雨が降り、室内で過ごすことが多い今の時期こそ、馴染み深くも新鮮な、「植物」の世界へと思いを馳せてみるのもいいかも知れません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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