work Delight Picks

新年を迎えはや3週間が過ぎ、皆様におきましては日常の業務活動に戻ったのかと推察しております。本メールマガジン「Work Delight Picks」を発行して2年目を迎えます。引き続き本年も、皆様の仕事(Work)において、喜びや楽しみ(Delight)の一助となる、テクノロジーや心理学また心身の健康に関わる情報を、選別(Picks)して提供いたします。それでは本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。-タレンタ株式会社-

-目次ーーーーーーーーーーー
HR最前線
心理学がHRtechに活かされる?
Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報

細胞レベルで健康になる
今月のPick Book!
全員戦力化 戦略人材不足と組織力開発(日本経済新聞出版) 守島基博著

HR最前線

心理学がHRtechに活かされる?

我々が海外のHRテクノロジーを日本企業に紹介する仕事を始めて10年あまり。数々の海外のHRテクノロジーと接する中で、学んだことがありました。それは、HR techの設計に産業・組織心理学の知見が活かされているということです。

心理学と働くことの関係
産業・組織心理学(Industrial-organizational psychology)とは、心理学の理論や原理を組織における人間の行動に応用する応用心理学の一分野です。元は産業心理学と組織心理学の2分野から構成され、それぞれで発達してきました。海外では、頭文字をとってI-O心理学とも呼ばれています。

例えば、オーストラリア出身のメイヨーという心理学者は約100年前に、「短期間のインセンティブよりも、意思決定に従業員を参加させる方が、仕事の満足度が高くなること」を発見しました。また、工場で働く人々の作業条件が作業能率に与える影響を検討したところ、作業者の手元を明るくしても暗くしても、作業量は上昇し、仮説の検証は失敗しました。報酬や休憩等の条件を変えても作業量の違いは見られませんでした。そして、作業量が上昇した原因として判明したことは「実験に従事した監督者が親しみやすい人物だった、自分たちに注がれる関心を楽しんでいた」ということでした。つまり、人間は、機械のように物理的条件だけで左右されるわけではないということが分かったのです。

HR techの開発に心理学者が携わる
アメリカに本社を置くとあるHR tech企業では、産業・組織心理学者のチームを社内に持っています。彼らは、社内のエンジニアたちと協力しながら、何ができれば有用なのか・それをテクノロジーでどう実現していくのかということを日々議論しながら製品の開発を行っています。

HR領域で活用できるAI(人工知能)は、教師あり学習のものがメインとなります。教師データを準備するにあたって、何を正解とするのか。例えば、採用面接でAIを活用する場合、候補者の良し悪しを決めるにあたって、教師データとして何の因子を見て、正解をどう定義するのか。入社後のパフォーマンスと相関がある因子は?見た目や愛想の良さって因子として適切?このような意思決定をするために心理学の知見が必要なのです。

日本では、HR techの開発に心理学者が携わるという感覚は新鮮かもしれません。むしろ、HR tech製品を利用する立場としては、意識はしていなかったけれど、気が付いたら心理学の知見が活かされていたと言うくらいが自然なのかもしれません。

ぜひ、みなさんも日々の「働く」の中に、心理学の要素がないか探してみてください。もしかしたら、心理学の知見を少し活用するだけで、今の仕事の悩みを解決してくれるかもしれません。

”Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報

米国の最新ホリスティック栄養学に基づく心と体の健康情報をお伝えします。

細胞レベルで健康になる
健康になるということは、体のどこが健康になれば良いのでしょう?
最近は免疫力を上げて健康に。と言われてますから、免疫力なのでしょうか?
運動して健康に。とも言われています。
〇〇を食べて健康に。
睡眠の質を上げて健康に。。。

これらの大元は全て”細胞”です。
免疫力は免疫細胞、体を動かす筋肉も細胞、栄養素も細胞に摂り込まれ、睡眠中は細胞の修復の時間です。

私たち人間は約75兆個の細胞があり、細胞の集まりが組織になり、臓器になり、臓器が集まると器官系になり、消化器系、循環器系、神経系、ホルモン系など11器官が集まると”人間”になります。今、この瞬間にも生命を維持するために活動し、細胞分裂を繰り返し、新しい細胞を作り出しています。細胞は、私たちの体を構成する最小の生命体で、緻密にプログラミングされております。この生命体を守る細胞膜は特に重要です。

■細胞膜の3つの機能
・細胞のエネルギー生成、維持や修復に必要な栄養素の取り込み・有害物質の排出
・体の各部分の機能促進
・細胞同士のコミュニケーション

これらの細胞膜の働きは健康、老化、活力レベルを左右するため、常に新しい細胞が作られ、それら細胞膜にとって必要な幅広い栄養素を日々摂ることが大切となります。そしてこの細胞膜の働きを最大限に活動することによって、【細胞レベルで健康になる】ということになります。これまでは抗うことができないとされていた老化に関しても、細胞レベルで健康になることで若々しい体・肌・活力を維持できると言われています。

YouTube
細胞の世界 《SAB:アリアンナ・カルーギ博士》

細胞の世界 《SAB:アリアンナ・カルーギ博士》は、細胞と細胞膜の働きをわかりやすい動画となっています。
<細胞の重要な機能>
・栄養吸収
・防御
・修復
・再生

詳細は、タレンタウェルビーイングFacebook Holistic Lifestyle~健康でHappyな毎日を過ごすために~お読みください。

今月のPick Book!

人事・心理学などの書籍・記事から、編集室のお薦めを解説交えてお伝えします。

全員戦力化 
戦略人材不足と組織力開発

(日本経済新聞出版) 
守島基博著

多くの研究が明らかにしているのは、異質な価値観や考え方が企業成果に結びついていくには、単に異質なものが否定されずに受け入れられるだけではだめで、質なものを価値あるものととらえる考え方や文化が成立していなければならないということでもある。(略)
単に受け入れることが求められているから人を受け入れるのではなく、相手の考え方などに価値を見出すから受け入れるのである。”(第5章 組織力としてのインクルージョン インクルージョンの3要素 ②組織文化や組織風土 より)

人材不足が叫ばれる中、必要に迫られている「全員戦力化」のために必要な「組織力」について、どのように「組織能力」を高めるのか、ということが本書では述べられています。「働きがい」「働きやすさ」の高い組織力とは何か、なぜいま日本の企業は大きな課題に直面しているのか、背景に加え冒頭のような具体的な考え方、アクションについて様々な角度から論じられています。守島氏の”想い”によって使い分けられるキーワードで議論される内容は、日本への危機感にさえ感じられます。

これからマネージャーにステップアップしていく皆様、またその方々を育成する皆様は、上記5章に加え、6章「職場のリーダーであるミドルが機能できるコミュニティとしての職場を形成すること」も必読です。

「個別企業の経営者やリーダー、人事部門は、本書をたたき台として、自社の全員戦力化のための組織力構築に進んでほしい。」(あとがきより)

戦略人事・組織開発・チームマネジメントに関わるすべての人にお勧めの一冊です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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