work Delight Picks

寒暖差が大きい毎日で体調を崩しやすい日々が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。自身の身体と心の状態にいつもより少しだけ丁寧に耳を傾けてみましょう。心身共に「ご機嫌」で過ごすことができれば、あなたの日々のパフォーマンスも存分に発揮できるはずです。どうしたらあなたが「ご機嫌」に過ごすことができるか、少しの工夫でできることを考えてみませんか。-Work Delight Picks編集室より-

-目次ーーーーーーーーーーー
HR最前線
「HR Tech Conference & Expo 2022」レポート(前編)
”Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報

「腸内環境を整える」Part1:消化を助ける食事法
今月のPick Book!
仕事に効く教養としての「世界史」~(祥伝社)出口治明 著

HR最前線

「HR Tech Conference & Expo 2022」レポート
HRテクノロジーをテーマとした展示会である「HR Tech Conference & Expo 2022」
今年は2022年9月13日~16日の4日間、ラスベガスのMandalay Bayで開催されました。総出展社数425社、来場者数はなんと10,000人超!間違いなく世界最大級のイベントです。

タレンタはパンデミックを挟んで2年ぶりの参加でしたが、相変わらず活気にあふれており、オフラインイベントならではの熱を改めて実感して参りました。

現地で見聞きしてきた欧米HRテクノロジーの最新トレンドを前後編に分けてご紹介したいと思います。
※今すぐ全編聞きたい!という方は、ぜひ現地から生配信を行ったインターネットラジオの配信をお聞きください。

HR tech1

AI活用最前線
出展企業数ベースで見たときに、一番人気のあるカテゴリーは「採用(123社)」でした。採用領域にベンダーが集中する傾向は以前からありましたが、世界的に人材不足が叫ばれる中、その流れは落ち着くどころか一層加速しているように思えます。

この領域で近年盛り上がっているのがAI活用です。2019年時点で主要な製品は何らかの形でAIを活用しており、今回もその傾向はより顕著になっていました。AIを採用領域で使うというと「AIが人を評価するのか?」というような観点に目が向きがちですが、今回はAIと人間の「協働」とも言える新たな活用方法が目につきました。

例えば、募集要項のPDFを読み込ませるだけでいい感じの応募ページを自動作成してくれたり、応募者の履歴書を読み込み、スキルや経験を自動でタグ付けしてくれたりと、採用チームの優秀なアシスタントとしての活用が多く見られました。

また、AIは採用市場における膨大なデータをインプットしているので、

  • 「Aの経験があるのでBのスキルも持っている可能性が高いです。Cのスキルに関しては面接で確認してください」というような履歴書外の情報を補完してくれる。

  • 自社のタレントプール内の潜在候補者に対してメールマーケティングを行う際に、想定されるリアクション率などを計算して最適な手法を提案してくれる。

というような経験豊富なアナリストのような機能を持つ製品もありました。

どちらも人間の仕事が円滑に進むように、AIが採用活動全体の高度化・最適化を強力にアシストしてくれています。

タレントマーケットプレイス ~タレントマネジメントに代わる新たなプラットフォーム~
ただ、もっと大きな意味で変化を感じたことが、多くの製品が「社内と社外の応募者を区別しなくなって来ている」ということです。
もともと社内異動に特化した製品は以前から存在していました。しかし今年はその垣根が崩れ「タレントマーケットプレイス」という大きな新しいジャンルに統合されてきていると感じました。

タレントマーケットプレイスというのは簡単に言うと「社員一人ひとりが、自身が求める社内リソースを主体的に探すためのプラットフォーム」です。
プラットフォームにはAIによるマッチング・レコメンデーション機能が組み込まれていることが多く、ユーザーが有益な情報を得やすくなるような工夫が成されています

先ほどの採用領域の話に戻ると、例えば求人をオープンした直後に外部からの応募者に加え、スキルマッチ度の高い社内メンバーも並んで表示され、すぐにコンタクトを取るというようなことが既に実現していました

また、社員目線では自社内のオープンなポジションを常に見ることができ現時点のスキルレベルとのギャップなどの情報も得ることができます。更にそのギャップを埋めるためのラーニングコンテンツをレコメンドすることで「自発的な学び」も促進する効果も期待できます。

本イベントの基調講演を務めた著名なアナリストのジョシュ・バーシンも、タレントマーケットプレイスに言及しており「将来的には従来のタレンタマネジメントを置き換えるだろう」とまで言っています。私もその意見に賛成です。変化の激しい現代では、人事部が腰を据えて育成計画を立てることは極めて難しく、最前線に居る社員一人ひとりが(AIの支援も受けつつ)自分自身で考えて行動していくことのメリットの方が大きくなってきていると思うからです。

実際日本国内においても、従来の社内ポスティング制度を大幅に拡充させた富士通様の事例中途採用を募集している職種への社内異動に挑戦できる新制度を始めたヤフー様の事例を始めとして、社内の人材流動性を高める動きは近年活発化しています。

もちろん、上記を実現させるためには、社内の部署、役職、等級などに求められるスキル・コンピテンシーレベルの整理が必要となり、準備は決して容易ではありません。ただ、そういったアクションにいち早く取り組み、恩恵を受ける企業が出てきていることも事実です。

採用だけでなく、社員の主体性向上や全員戦力化に向けた施策をご検討中の方にとっても「タレントマーケットプレイス」は今後も注目のキーワードとなって行くでしょう。

さて、後編では「エンプロイーエクスペリエンス」や「サステナブルパフォーマンス」等のキーワードに沿って、既存社員向けのHRテクノロジーの最新トレンドをご紹介します。どうぞ後編もご期待ください。

”Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報

米国の最新ホリスティック栄養学に基づく心と体の健康情報をお伝えします。

腸内環境を整える Part1:消化を助ける食事術
前回のWork Delight Picksでは、腸は「食道」「胃」「十二指腸」「小腸」「大腸」といくつもの臓器にまたがっており、それぞれが連動して、消化酵素によって【体の中に】吸収されるということ、そして消化酵素の能力によって消化に影響があるということをお伝えしました。レモン汁を使った胃酸分泌チェックはいかがでしたか?レモン汁を飲んだ方が食後楽になったならば、胃酸の分泌が充分でない可能性があります。

今回は消化に必要な胃酸の分泌を促す食事法についてご紹介いたします。
食べれば自動的にちゃんと胃酸が出て、消化をしてくれると考えがちですが、食習慣や心の状態によって、その作用の能力は一定ではありません。胃の中の表面にある壁細胞に胃酸を分泌するスイッチがあります。このスイッチを効果的にONにする副交感神経を使った食事法です。「見るからにおいしそう」「おいしそうな香り」「おいしい味」を五感をとおして感じることで、「食事をした」という動作が脳に伝わり、脳から副交感神経を通じて消化に必要な対応を整えるようそれぞれの臓器に指令を出します。

この五感を使う食事、当たり前すぎて「今さら?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。でも日中の仕事が立て込み、ランチはPCの画面を見ながら、急いで空腹を満たすためだけにおにぎりやパンを食べていたり、カフェでもスマホの画面を見ながら食事をされている光景をよく見かけます。食事以外のことに凝視している時には交感神経が活発になり、胃酸や消化酵素の分泌が抑制される傾向があります。要は、目の前の食事に集中することが大切になるのです。

そうすると・・・

  • 唾液が分泌される→胃酸の分泌と連動している
    (※唾液の量がその後消化能力を左右させる)

  • 良く噛む→唾液の分泌を促す、消化酵素の消費を抑える

  • イライラや不安・ストレス・怒りなどの感情から離れる→交感神経を鎮める

唾液が分泌されることで消化活動が始まり、胃・十二指腸・小腸とおりていくほど消化酵素の分泌は下がることから、最初の唾液をきちんと分泌させることが消化のポイントとなります

■消化を促す食事法
・食事中はスマホ、PC、TVから離れる
・食事を楽しむ
・良く噛む

何を食べるかだけでなく、どのような状況で食べるかによって消化に影響があるということを頭におき、目の前の食事を楽しむ、美味しい食事を食べることを心がけて腸内環境を整えましょう。

今月のPick Book!

出口治明 (著)
仕事に効く教養としての「世界史」
(祥伝社)

海外のHRテクノロジーを日本企業に紹介する仕事を始めて10年あまり。英、米、東欧、アジア、豪州、様々な地域の人たちと付き合ってきました。そして日本人として意思を伝えるためには何に注意すべきかを常に考えさせられています。会議では結論を先に言う、YES/NOを明確にする、こうしたことは分かっていてもなかなか身につきません。これは日本語の語順にも原因がありそうです。論語「子曰、學而時習之、不亦説乎」の英訳は「Confucius said, “To learn and to review those you learned are pleasure”.」ですが、いずれも結論先行のSVO文型です。これに対して「孔先生は『学んだことを復習するのは一層理解が深まり楽しい事だ』とおっしゃった」という日本語訳は結論後回しの冗長なSOV文型になります。普段このような語順で会話している日本人が、はたして海外との会議で脳をスイッチできるのか。私に取っては長年の課題です。

ところで日本が海外からどう見られているかは、日本史/世界史の参考書ではよくわかりません。日本史、西欧史、中国史など各分野がサイロ化しておりクロスオーバーな記述がなされていない為です。本書はそうした課題認識で書かれており、表題は「世界史」になっていますが中身は半分「日本史」です。世界でビジネスを展開してきた著者の関心が「世界の中で日本はどう振舞うべきか」という点にあるからでしょう。内容的には著者の妄想もたくさん含まれているのですが、いずれも最新の考古学・歴史学の発見に基づく健全な妄想なので、実際にはそうだったのかも・・・という内容になっています。歴史上の出来事が私たちの発想や行動にどう影響を与えているのか。想像力の広がりを楽しめる教養書です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Work Delight Picks vol.9
HR最前線
1Dayセミナー開催レポート『フィードバックが人の成長を加速する~サイバーエージェントの事例紹介~』
Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報 「腸内環境を整える」Part1:消化
今月のPick Book! 若手育成の教科書~サイバーエージェント式 人が育つ「抜擢メソッド」~(ダイヤモンド社)曽山哲人 著

Work Delight Picks vol.8
HR最前線
7/28 1dayセミナー開催速報 『分散時代に必要な人材マネジメントの新たなる潮流』
Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報 ヘルスリテラシーって何?~人生100年時代を生き抜くために必要な新しいスキル~
今月のPick Book! 360度の視点で仕事を考える 働き方の哲学(ディスカヴァー・トゥエンティワン)村山昇 (著) 50項「内発的動機・外発的動機」

Work Delight Picks vol.7
HR最前線
1on1ミーティングをどう捉えているか?(上司編:後編)
Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報 自律神経の乱れ〜その疲れ、脳疲労かも〜
今月のPick Book! 360度の視点で仕事を考える 働き方の哲学(ディスカヴァー・トゥエンティワン)村山昇 (著) 41項より「セレンディピティ」