work Delight Picks

秋の実りの季節になりました。11月23日(祝)は「勤労感謝の日」です。皆さんはどのように過ごされますか。実は、本当の意味は「新嘗祭」という日本古来の祭日で、この日天皇が今年取れた新米を神様にお供えし、初めて食されるという儀式が行われています。戦後、GHQが祭日の名前を変更してしまいましたが、国民を代表して天照大御神やその他の神々に五穀豊穣の感謝をする大事な日です。勤労できる体、そして自然にも感謝をさせて頂く一日となりますように。
Work Delight Picks編集室より-

-目次ーーーーーーーーーーー
HR最前線
「HR Tech Conference & Expo 2022」レポート(後編)
Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報

「腸内環境を整える」 腸をいたわる5つの習慣
今月のPick Book!
モリ―先生との火曜日(NHK出版)ミッチ・アルボム著(別宮 貞徳訳)

HR最前線

「HR Tech Conference & Expo 2022」レポート

前回に引き続き「HR Tech Conference & Expo 2022」にて仕入れてきた欧米HRテクノロジーの最新トレンドをご紹介します。後編では主に社内向けのHRテクノロジーについてご紹介していきます。

「エンプロイーエクスペリエンス」とは何か?
社内向けのサービスにおける最重要トピックは間違いなく「エンプロイーエクスペリエンス(従業員体験, EX)」でしょう。

この言葉は数年前からバズワード化しており、今回も多くの企業がキーワードとして掲げていました。(日本でも聞く機会が増えてきましたね)

少々曖昧なコンセプトのため、残念ながら単なるマーケティング用語として適当に使っている企業も少なからず見受けられました。ただ、大部分の真面目な企業は自分たちなりに意味づけを行い、製品開発に落とし込んでいるようです。

例えばタレンタのパートナーであるExplorance社は、EXについて「Happy, but Useful」と表現していました。ユーザー価値と利便性の両立が必要なことを端的に示していて、個人的にとても好きな表現です。

EXを意識したサービスの特徴は①アクセスが容易で使いやすいこと、②従業員が実感する価値(≠人事部にとっての価値)に主眼を置いていることの二点が挙げられます。

例えば①の例として、ある目標管理システムはCRMなどの業務システムと社内チャット/メーラーなどのコミュニケーションツールと連携・一体化して、日常業務の中に一体化した運用が行えるような工夫をしていました

また、②の例として、サーベイ系の製品はサーベイ結果を元に組織・個人が取るべきアクションをサジェストする機能の拡充に力を注いでいます。単にサーベイを行うだけでは従業員にとって価値はありません。際のアクションこそが提供価値だからです。

前編でご紹介した「タレントマーケットプレイス」系のサービスも②の代表的な例の一つです。従来のタレントマネジメントは「人材を管理する」という会社にとっての価値にフォーカスしていたのに対し、タレントマーケットプレイスは従業員一人ひとりに気づきや機会を提供することに主眼を置いています。

このような視点の転換は、サービス提供側だけでなく施策立案をする人事側にも今後強く求められるようになっていくでしょう。

「ウェルビーイング」から「サステナブルパフォーマンス」へ
もう一つ強く印象に残ったキーワードが「サステナブルパフォーマンス」です。これは前編でも紹介したジョシュ・バーシンが基調講演の中で語ったフレーズで、従業員のウェルビーイングがもはや単なる福利厚生の話ではなく、企業の業績に直結する重要トピックになっていることを意味しています。

次の図のように、ウェルビーイングのレイヤーの上に組織・人材開発施策が加わることではじめて、持続可能なパフォーマンスが達成できるとジョシュは提言しています。逆に言うと従業員一人ひとりのウェルビーイングが達成されていない状態では、どのような施策も効果を十分に発揮できないということだと理解しました。

確かに自分の心身に余裕が無い状態では、周囲からどんなに真っ当なフィードバックをもらっても「うるさい!」と反発してしまうでしょうし、新しいスキルを身に付けてみよう!という気持ちも湧いてこないでしょう。この提言は私個人の経験から見ても非常に納得度の高いものでした

テクノロジーの力だけでは解決困難な領域ですが、タレンタのミッション Work Happy! とも通じるため、社としても私個人としても引き続き腰を据えて考えていきたいテーマです。

ちなみに幸運なことに、タレンタは社内にウェルビーイングに関心の高いメンバーがおり、パンデミック初期から様々な知見を社内に展開してもらっていますタレンタがフルリモート環境においてもオフィスワーク時代と同等以上の生産性を出せているのも、この取り組みの恩恵が少なからずあったんだなぁと改めて感じました。

まだまだお伝えしたい内容は尽きませんが、今回はここまでとなります。今後も特定領域にフォーカスしたより深い内容を定期的にお伝えできればと思いますので、引き続きよろしくお願い致します。

”Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報

米国の最新ホリスティック栄養学に基づく心と体の健康情報をお伝えします。

腸内環境を整える Part2:腸をいたわる5つの習慣
2022年9月のWork Delight Picksでは、腸は消化酵素によって【体の中に】吸収されるということ、そして消化酵素の能力によって消化に影響があるということをお伝えしました。レモン汁を使った胃酸分泌チェックはいかがでしたか?レモン汁を飲んだ方が食後に普段ない不快感が出た場合は、胃酸が十分に分泌できているサインになります。

2022年10月のWork Delight Picksでは、消化に必要な胃酸の分泌を促す食事法についてご紹介いたしまた。五感を使う食事、目の前の食事に集中して、食事を楽しんでいますか。

自分を守るためにできること、日頃からウィルスに負けない免疫力を高めるため、病気にならない心身ともに健康になるために【腸内環境を整える】ことが大事です。腸内環境を意識してヨーグルトや納豆などの乳酸菌や発酵食品を摂って腸活をしている方もいるかと思います。腸内細菌は100種類、数にして約100兆個とも言われています。小腸の終わりの回腸から大腸にかけて、腸壁にびっしりと生息しています。いわゆる腸内フローラ(腸内細菌叢)です。この腸内フローラはヨーグルトや納豆を食べているだけでは、【腸内環境を整える】ことはできません。

腸をいたわる5つの習慣を意識することをお薦めします。

1.良く噛んで食べる
腸内環境と良く噛んで食べることが関係あるのかと思う方も多いと思います。しかし、腸の働きの1つ”吸収”は、小腸から吸収できるのは最小の分子です。良く噛まずに飲み物などで流し込んだ大きな食べ物は胃~十二指腸の間での消化酵素によってある程度分解されても、小腸で吸収できるほど小さくはなりません。小腸で消化・吸収できなかった未消化カスは大腸にいき、水分とともに便として排出されます。ただ未消化カスが多くなれば、それらは腐敗・酸敗し、悪玉菌のエサとなり、発がん性物質などの有害物質を作ります。

2.新鮮な生野菜・果物を食べる
野菜・果物に含まれるビタミンやミネラルがとても重要になります。ビタミン・ミネラルは体内で作ることができない、もしくは作れてもほんの少ししかできないので、食事で摂る必要があります。
ビタミンは身体のエネルギーにはなりませんが、様々な体の代謝に必要不可欠です。体内で消化の過程で酵素を助け、栄養素を吸収・運搬・排出に必要です。野菜や果物には酵素は含まれていますが、体内でそのまま酵素として使われるわけではありません。たんぱく質がアミノ酸に分解された一部が酵素になり、この酵素が活性化するために補助するのがビタミンです。酵素はまばたきしたり、手を動かすことや呼吸することなど生命を維持する働きすべてに必要となります

3. 食物繊維を摂る
腸内細菌によって発酵された食物繊維は短鎖脂肪酸になり、腸周辺での働きにとても有効です。
・体に吸収されてエネルギーになる
・有害物質を体の外に排出する
・余分なコレステロールを排出
・糖の吸収を抑制し、血糖値の上昇を抑える
・蠕動運動を促して便通を良くする
・腸の表面をカバーする粘液の分泌を促し、腸のバリア機能を上げる

4.水分をたくさん飲む
ヒトは60%以上が水でできています。1日に汗や排泄物として1ℓ~1.5ℓが体から出ると言われています。体に必要な水分は小腸・大腸で吸収されてしまいます。そして便はなんと80%が水でできているので、水分摂取量が少ないと、ここでほとんどの水分が体に吸収されてしまい、便は固くなり便秘の原因となります。便秘になると悪玉菌が増殖し、腸内細菌のバランスが崩れてしまいます。ここでいう水分とはお味噌汁やスープも含まれます。

5.抗生物質・鎮痛剤は常用しない
抗生物質は細菌をやっつけるお薬です。風邪の原因は、80~90%はウィルス感染ですので、風邪症状で抗生物質を服用しないようにしましょう。風邪症状の熱が出るのは、白血球が病原体と必死に戦っている状態です。発熱時に倦怠感、食欲不振、不眠など不快感が出てきます。これは身体が「おとなしく寝ていなさい」というメッセージだといいます。そして悪いものを体の外に出そうとしている活動の一環です。食欲がない時は、食べる量は減らし消化活動を一時休止して、横になり身体には病原菌と戦うことに集中してもらいましょう。鎮痛剤などで熱を無理やり下げたとしても、身体の正しい働きを邪魔することになり、長引かせる原因となります。抗生物質・鎮痛剤など薬品は腸内環境を乱します。また効果を最大限に得るために、必要な時に限り、正しく服用しましょう。

【まとめ】
腸内環境が乱れると腸管内の絨毛の機能が乱れ、栄養素も有害菌も血液やリンパ管に入ってきてしまいます。その状態が長期間続くと体内は栄養素がきちんと吸収することが難しくなり、アレルギーや慢性的な疲労、様々な症状が出て、不定愁訴が増えていきます。そしてリラックス、幸福感をもたらす『幸せホルモン』といわれている神経伝達物質のセロトニンは、なんと80%は腸に存在するのです。腸でセロトニンを作り、脳へ送っているのです。腸内環境が良ければセロトニンはたくさん作られ、精神が安定し幸せを感じられます。逆に腸内環境が悪くなれば、セロトニンの量が少なくなり、イライラや不安な気持ちの原因になります。腸内フローラの状態は目にすることはできません。腸にとって良い習慣を1個ずつでも増やしていきましょう。

今月のPick Book!

人事・心理学などの書籍・記事から、編集室のお薦めを解説交えてお伝えします。

ミッチ・アルボム著(別宮 貞徳訳)
普及版 モリ―先生との火曜日
(NHK出版)

「最後の授業」は、教室を離れた教授の最後の家で始まった。マスコミの中で目まぐるしく生きるジャーナリストが、死を宣告された教授との対話を通して、毎週火曜日、自分の人生で本当に大切なものを見つめ直していく。

「誰でもかけがえのない人がいるでしょう。その人のために、あなたは多くの時間を使い、真心を込めて接するに違いありません。

でも、その気持ちを自分自身のために使ってください。

自分を深く知る。
自分を信頼する。
自分を尊敬する。
自分に同情する。
自分に親切にする。

自分自身が一番のあなたの理解者になってください。

もし、これができれば、あなたは他の誰にでも、同じ気持ちで接することができるはずです。」

驚くべき言葉の数々は、自分に向き合い、そして死と向き合って初めて見えてくる、愛とは何かを示した遺言の数々である。

第4の火曜日「死について」
第5の火曜日「家族について」
第6の火曜日「感情について」…

人は皆、平等に今の一瞬を与えられている。その一瞬をどう生きればもっと自分が最高になれるか、この本を読めば改めて大事なことに気づかせてくれます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。