【Fuel50 オンラインイベント FuelX】アン・フルトン/ジョシュ・バーシン対談<前編>

3月下旬にFuel50社のオンラインイベントの一環で(COVID-19の影響でオンライン実施となりました)、Fuel50社CEO アン・フルトンとグローバルに著名なHRアナリストであるジョシュ・バーシンのリモート対談が行われました。その動画からの書き起こしを行いました。COVID-19の影響がどうなるのか今よりも不透明であった当時に、アンやジョシュが何を語っていたのか、Withコロナでのキャリア開発や人事の役割を改めて考える上でも非常に興味深いものがあります。
Fuel50社サイトでは既に非公開となっている貴重なコンテンツです。

アン・フルトン(アン):こんにちは、アン・フルトンです。FuelX ラーニングセッションへようこそ。私たちは今新しい時代に直面しているといえる皆様にバーチャルラーニングの機会を提供しています。今日はジョシュ・バーシン氏を迎えて私たちが今直面している課題について考えていきたいと思います。今私たちすべてが経験しているチャレンジです。
そこで長年人材業界のアナリストとして活躍しているジョシュ・バーシン アカデミーのジョシュからお話を伺います。

あなたが書いている「CEOや企業のリーダーが今何をすべきかについての記事」に目を通しています。まずはあなたや家族、あなたのビジネスが、この前代未聞で想定外の状況にどのように対応しているかを聞かせてくれますか?

ジョシュ・バーシン(ジョシュ):毎日起きて会社に出勤する生活を送っていた人にとって、生活に問題が生じてきたのは2月初め頃あたりでしょうか。
私としては、今回のような景気後退を過去2000年と2008年の2回経験しています。ですので景気後退が起こったこと自体にはあまり驚いていません。ただ今回は過去2回よりも非常に影響が大きく、かつ複雑だといえます。2000年にITバブルがはじけ、次の年には9.11同時多発テロが起きました。2008年にも大きな景気後退(リーマンショック)を経験しています。これらの景気後退は起こるべくして起こるのです。

このような状況は人事機能に負荷をかけますが、人事が普段会社のためにどのような支援を行っているかに関心を寄せ、会社のリーダシップや文化、社内の人々について考えることになるでしょう。

アン:あなたはこの課題の最前線にいますよね。従業員の健康と安全や労働力の再配置について、人事がまさに最前線に立ってこの前例のない事態に対処しなければなりません。
この辺り、何か情報は入ってきていますか?

ジョシュ:先週だけで20件以上の電話がかかってきました。どの企業も組織や従業員の健康や安全のことを気にしていながらも、この状況を真剣に受け止めていない場合もあり、これは大きな間違いだといえます。人々の活力や情熱は自身「恐れ」によって損なわれます。例えば今は自身や家族の健康が害される恐れです。今は多くの人が在宅で勤務しています。自宅には子どもや親がいたり、それぞれ様々な事情があります。それらは考慮されなければなりませんが、それを横において今まで通りに業務を続けようとする企業が多いことも驚きです。運輸や物流など多くの会社と電話をしましたが、彼らは「コロナの話はやめて別の話をしましょう」と言うのです。

アン:私も同じことを感じています。私たちのクライアントでは、進行中のプロジェクトのために時間や人事のリソースを追加するケースもあります。ただ、彼らは従業員へどのような「キャリアエクスペリエンス」を提供できるかを非常に気にかけています。でもそれは1か月前とはまったく別の「キャリアエクスペリエンス」です。
これから変わっていく新しい「キャリアエクスペリエンス」について、どのように考えているかをお聞かせいただけますか。

ジョシュ:そうですね。それには2つの側面があるといえます。まず第一に多くの会社で予算の削減が行われるでしょう。例外があったとしても、この経済の大きな減速は避けられません。またこれはしばらく続くことになるでしょう。でもこれにはよい側面もあります。混乱を一掃する機会となり、価値のないプログラム、ツール、システムやイニシアチブを取り除くことができるかもしれません。
これは「ゼロベースの予算編成」と呼びたいですね。もし予算が20%削減されるとしたら、単に上から削るのではなく、実はまったく必要のない項目を見つけて削減することができるかもしれません。
そうなると「エクスペリエンスデザイン」が課題となります。これは人々に必要なもののみを与えるという考え方の元で構築されます。付加価値のないものを作らない、人の動きを鈍らせる慣習やプロセスを設計しない、というものです。予算削減のために焦点を当てるべきものはたくさんあるでしょう。
先週、大企業の戦略立案会議をオンラインで2件実施しました。彼らが予定していたタレントプラクティスもすべてオンラインで実行することができました。私たちは業務の簡素化が非常に重要であり、またそれが可能だという結論に至りました。
もう1つは、ここ数年お話続けてきたことですが、「エクスペリエンスデザイン」が企業の鍵を握るということです。会社の対応力を高めるでしょう。
このような危機的な状況では、様々な業務や人々が抱えている懸念事項や問題の本質を見極めるために、とても優れた傾聴ツールを必要としています。
私たちが過去4~5年の間にゆっくりと取り組んできたものが、今すぐ求められている状況といえるでしょう。

リモートワークをどのように成熟させるか、も大きな課題ですね。。。

後編はこちら


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