Work Delight Picks vol.3

work Delight Picks

2022年も3ヵ月目に入りすっかり春がきていますね。暖かい日も増えてきていますが、私は花粉症で目が痒くて仕方ありません。花粉症も、食べ物で改善されるようで、アマニ油を意識的に摂ったりして、気を付けています。ぜひ、前回のWork Delight Picksを改めて参考にして、健やかな春をお迎えください。-Work Delight Picks編集室より-

ー目次ーーーーーーーーーーーーーーー
・HR最前線
目標設定 ~自律したキャリア開発のために~
・”Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報
生活リズムを整える~体内時計が心と体の健康を作る~
・今月のPick Book!

入山 章栄 著 世界標準の経営理論 第20章「認知バイアスの理論」
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HR最前線
目標設定~自律したキャリア開発のために~

3月に入り、今年度の振り返りや来年度の目標設定の1on1などを実施されている企業も多いのではないでしょうか。
長引くコロナ禍で労働環境が激変する中、「キャリア自律」も重要視され、働く個人が自らのキャリアについて主体的に考え、キャリア形成に取り組むことが益々求められています。

今回は、キャリア自律につながる主体的な目標設定のためのヒントを3つご紹介します。

① 内発的動機に紐づける
内発的動機とは、外部の要因に影響を受けず、純粋に「したいからする」というような動機のことで、モチベーションや価値観のことをいいます。内発的動機からの行動はその人の内側から促されるため、高いパフォーマンスを持続的に生み出すことができると言われています。「働くうえで大切にしているものは何か」「どのような自分の状態や仕事の時にやりがいを感じるか」等を振り返り、そこに結びつけた目標を設定してみるのはいかがでしょうか。

② 具体的で困難な目標を設定する
ストレッチ目標とも呼ばれ、目標には「困難さ」「明確さ」の両方が大切です。具体的な例として「30分で2問」といった簡単な目標や「最善をつくそう」といった曖昧な目標よりも、「30分で10問」という目標の方が業績を高めると言われています。達成に関わらず、その目標を設定したことで視座が上がること、努力をすることで業績が高まることが重要なポイントです。

③ 自分の成功体験・強みを活かす
今までの成功体験や自身の強みを振り返り、その次のレベルの目標を設定することも主体的な目標設定につながります。自身の成功体験は自己効力感に影響を最も及ぼすと言われ、アクションにつながります。更に、自己効力感は自身だけでなくチーム全体に影響し、「自分はこのチームに貢献でき、そしてチームはうまくいく」という認識が貢献可能性となり、その貢献可能性は集団の効力感を高めるとされています。

目標設定にはSMARTやOKR、MBOなど様々なフレームワークもありますが、うち一つでも上記を使いながら自身を主体として考えてみるのはいかがでしょうか。それぞれの具体的な方法や心理学などによる研究結果に関する情報は、今後タレンタサイトで掲載する予定です。

Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報
米国の最新ホリスティック栄養学に基づく心と体の健康情報をお伝えします。

生活リズムを整える
~体内時計が心と体の健康を作る~
立春を過ぎ、冬の長い夜から、明るい日中の時間が長くなり空が眩しく感じます。私たちの体には体内時計が備わっており、その時計は目から入る光が大きく影響しているとされています。

そのため、夜にブルーライトを見ると睡眠の質が下がったり、朝日を浴びて睡眠のスイッチを入れるなどと言われています。

しかし、体内時計は私たちの細胞のほぼ全てに存在していて、それぞれに1日の中でのタイムスケジュールのようなリズムを刻んでいます。そしてマスター時計として機能する細胞/視交叉上核が脳の視床下部にあり、視床下部は空腹・満腹・睡眠・体液バランス・ストレス反応などを司る中枢で、光・食事・睡眠時間などが影響し合っています。生活リズムを整え、質の良い睡眠をとることで、本来体が持っている生体機能により、心と体の健康につながっていきます。この概日リズムのひとつに睡眠時のオートファジー(細胞のお掃除)がポイントになります。私たちの体の細胞はこの瞬間にも死滅し、新しい細胞ができ、新陳代謝を行っています。一連のリズム(質の良い睡眠・食事の時間・光)でこのオートファジーは効果的に行われるとされています。効果的なオートファジーについてはタレンタリソース「生活リズムを整える‗より効果的なオートファジーのためのポイントをご参照ください。

3/18は国際睡眠デーでした。世界睡眠医学協会が睡眠医学の教育促進と睡眠関連の知識を広めるために制定しました。日本ではこれとは別に3/18と9/3を「睡眠の日」と定め、前後1週間を睡眠に関する啓発活動を行うと制定しています。睡眠は私たちが健やかに充実した日々を送るための健康の原点となります。この機会に睡眠環境や状態を確認して、見直しや改善をしてみてはいかがでしょう。

今月のPick Book!
経営学の書籍から、編集室のお薦めを解説交えてお伝えします。



入山 章栄著 世界標準の経営理論
(ダイヤモンド社)
第20章 認知バイアスの理論

物事の判断や意思決定が、これまでの経験や固定観念に基づく先入観によって非合理的になる心理現象を認知バイアスと呼びますが、個人の内面から認知バイアスを克服する手段の一つとしての「マインドフルネス」が本書に紹介されています。

「マインドフルネス」は、現代の経営学でもにわかに注目をされ始めているということですが、以下に本書に紹介されているキーポイントを抜粋いたします。

マインドフルネスは周囲の環境のその瞬間の状態に意識を傾けることなのだから、マインドフルネスが高い人の方が、バイアスなく周囲が見通せるはずだ。シリコンバレーではマインドフルネスや禅が注目されているが、それは精神的な疲れを癒すというだけではなく、認知バイアスから解放されて「周囲の瞬間をありのままにとらえる」ための手段を、ビジネスパーソンが求めているからかもしれない。”

”マインドフルネスというと、どうしても禅・瞑想などのイメージがあって「心を穏やかにするといった印象」を持ちがちだ。もちろんそういうマインドフルネスも重要だろう。他方で、現在の過酷なビジネスで時に求められるのは、不確実性の高い環境下で、認知バイアスなく周囲の環境をとらえ、小さな失敗にも注意を払い、それを乗り越えていくという意味でのマインドフルネスでもあるだろう。”

”日本語で言えば、これを表す言葉は「達観」ではないだろうか。筆者の周囲の多くの優れた経営者にも、確かにどこか達観している方は多い。そしてそういった方々は大抵、とてつもない修羅場経験を何度も潜っている。逆にそういう人材の不足に悩むのが、今の日本の大企業である。最近は多くの大企業の人事担当者が「経営幹部候補者たちの修羅場経験が不足している」ことを課題にあげる。”

”経営学でのマインドフルネス研究は始まったばかりで、十分な理論体系ができているわけではない。とはいえ経営学では既に、興味深い研究結果が出てきているのも事実だ。”

”マインドフルネスは、今後さらなる研究分野として、大いに期待できるといえるだろう。”

最後までお読みいただき、ありがとうございました。