work Delight Picks

先日アルバイトを始めたばかりの大学1年の息子、帰宅時にドアを開けて「ただいま」ではなく「ありがとうございます!」。家族で大笑いでした。
新入社員も配属先決定や配属が始まる季節。緑の濃い木々の生命力を感じながら、新しい環境の次の扉を開ける皆様、受け入れる側の皆様すべてにエールを送ります。-Work Delight Picks編集室より-

-目次ーーーーーーーーーーー
HR最前線
HRカンファレンス2025-春- レポート
Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報
「今の」自分を知ることを習慣化する
Moment of Delight
仕事や人生で大切にしたい一言

HR最前線

今年もHRカンファレンスが5月に開催され、タレンタは「「採用選考×生成AI」の時代に、AIと面接官はそれぞれ何を見るべきか」というテーマで講演いたしました。今回は、その講演内容をご紹介します。

■AIの進化
今は「第4次産業革命」であり、超スマート社会と呼ばれる時代です。昨今のAIの発展は目覚ましく、将来は汎用人工知能(AGI)や人工超知能(ASI)と呼ばれるAIが登場すると言われています。人間の能力を大幅に超えるとされる存在を想像すると、私たちはいささか慎重な態度を取るようになります。しかし、AIのような新技術には社会的な実践知が蓄積されるとともに、倫理的な歯止めがかかることは歴史的に示されています。米国イリノイ州のAI動画面接規制法に端を発したAI規制はグローバル規模で着実に進んでおり、日本でも日本版AI法案が閣議決定(2025年2月28日)されたことから、近い将来、国内でのAI利用には適正な規制がかかると考えられます。

■倫理的で説明可能なAI
企業がAIを採用活動で使う際に気を付けるべきことは、
・AIで仕事に関係ない要素を見てはいけない
・第三者が監査したAI製品しか、使ってはいけない
ということです(米国司法省AIアセスメントガイドラインから)。

AIが採用活動で見るものについて、現在は発話内容に基づいた行動事実が主流です。過去、発話されたキーワードの出現頻度や、候補者の表情をAIの測定対象としていましたが、今ではこれらは仕事の成果・能力を予測するものとは言い難いとされています。また、これらを測定することはAIの倫理的な用途ではないとされ、行動事実を測定対象として定めることになりました。

また、AIに学習させるデータ(教師データ)にバイアスが含まれる場合、AIの出力結果もバイアスに基づいたものになる可能性が高くなります。このように特定の候補者集団が不利益を被ることがないよう、グローバルのAIベンダーには「不利益分析」と呼ばれる作業を実施し、AIのアルゴリズム(AIが人をどう判定しているか)を調整することが要求されます。

不利益分析の実施のみならず、AIベンダーには第三者監査の受審も求められます。ベンダー側はもちろんAI製品が適切に評価することを確認していますが、真に倫理的で説明可能なAIの品質は第三者のチェックによって保証されます。特に、AIアルゴリズムとAI判定結果の妥当性(AIの評価は、その採用目的に照らして正しく機能しているか)の第三者監査の受審は、グローバルでのAI採用支援ツールにおいて今や必須事項になっています。
タレンタBlog:倫理的なAI実装への取り組み

■人とAIの協働
これからの採用では、「AIは行動特性を見極める」「人はデータ化されていない雰囲気やコミュニケーションスタイルを直接見極める」といった役割分担がより明確になるでしょう。特に責任あるAI活用を目指す場合、この役割分担が理想的な人とAIの協働になります。
この記事が読者の皆様のご参考になれば幸いです。

”Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報

「今の」自分を知ることを習慣化する

私たちは、常に「あれをしなくては」や、「あ~、昨日はあんな失敗をしてしまった」と未来や過去のことで頭がいっぱいです。これでは、「今」自分が感じている心の状態、体の状態は見えてきません。「今の」自分を知ることは、日々の変化に気づき、より良い選択をするための第一歩です。

例えば、
なんだかイライラする… → その原因に気づき、冷静に対処できるかもしれません。
最近、疲れやすいな… → 無理をしているサインに気づき、休息を取ることができるかもしれません。
今日はなんだか気分が良い! → そのポジティブな感情を意識的に味わい、さらに良い一日を過ごせるかもしれません。

そして、「今の」感情を感じることは、心の声に耳を傾け、自分自身を深く理解することに繋がります。喜び、悲しみ、怒り、不安…どんな感情も、私たちの大切な一部です。それらを否定したり、蓋をしたりするのではなく、ただ感じて受け止めることで、心のバランスを取り戻し、より穏やかな自分になることができるでしょう。

では、どのように「今の」自分を知り、「今の」感情を感じることを習慣にすれば良いのでしょうか?

「今の」自分と繋がるための3つの習慣
●瞑想(めいそう):
静かな場所で数分間、呼吸に意識を集中してみましょう。思考が浮かんできても、無理に止めようとせず、ただ観察します。「今、呼吸をしている自分」に意識を向けることで、心のざわつきが鎮まり、穏やかな気持ちを取り戻せるでしょう。
ポイント: 最初は短い時間からでOK。慣れてきたら少しずつ時間を延ばしてみましょう。

●ジャーナリング:ノートやPCに向かい、頭に浮かんだこと、感じたことを自由に書き出してみましょう。思考を整理するだけでなく、言葉にすることで、今まで気づかなかった自分の気持ちに気づくことがあります。「今、何を感じているのか」を意識しながら書いてみましょう。
ポイント: 上手な文章である必要はありません。誰に見せるわけでもないので、正直な気持ちを綴りましょう。

呼吸法:深い呼吸を意識的に行うことで、心と体の緊張を和らげることができます。例えば、ゆっくりと息を吸い込み、少し長めに息を吐き出すことを繰り返します。「今、体はどんな感覚か」「呼吸は深いか浅いか」など、呼吸に意識を向けることで、心身のリラックスに繋がります。
ポイント: 色々な呼吸法がありますが、まずは「吸う」よりも「吐く」ことを意識してみましょう。

これらの方法は、特別な道具や場所は必要ありません。日々の生活の中で、まずは1日に数分でも良いので、意識的に「今の」自分と向き合う時間を作ってみませんか?

Moment of Delight

仕事や人生で大切にしたい一言

「晴れて良し 曇りても良し 富士の山、元の姿は変わらざりけり」
幕末の志士 山岡鉄舟

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

vol.40 2025/05/27

【発行元】タレンタ株式会社  Work Delight Picks編集室